架空プロレス団体DESTINY

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【緊急】タツ・マモルのプロレスコラム BRAVEに現れた、黒衣の男のミステリー

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今回は緊急ということで、このプロレスコラムにてBRAVEで起こった事件について取り上げたい。

前回のBRAVE、メインイベントのDESTINY王座戦 シャックス vs ザ・フィニッシャーの試合に突如、謎の黒衣の男が乱入した。

【参考記事】

その黒衣の男はフィニッシャーを襲撃し、試合はノーコンテストとなった。それにより、シャックスは結果的に王座防衛(無効試合のため)となった。団体の顔・フィニッシャーがDESTINYの誇る、最高王座獲得がかかった期待の一戦であったが、それを背後から襲撃でぶち壊した黒衣の男。その際、黒衣の男はフィニッシャーに対してフィニッシャーの必殺技バスターを見舞った。果たしてこれにはどんなメッセージが込められているのだろうか?

ファンの間では黒衣の男の正体について様々な憶測が飛び交っており、今回はそれらの説について触れていきたい。

黒衣の男の正体とされる人物

ハーキュリーズ

元団体の顔ハーキュリーズがフィニッシャーを襲撃、復帰したという説。ハーキュリーズはフィニッシャーに最も恨みを持つ人物であり、真っ先にその"容疑線上"に浮かぶであろう。DESTINY最大の闇、ハーキュリーズ・シュート事件以来、復活したフィニッシャーの活躍を妨害、今度こそ徹底的に叩き潰すためということが動機とされる。今現在の状況だけでいえば、否定材料は見当たらないように思える。

ボディスまたはザガン(元デビルズ・ゲートメンバー)

デビルズ・ゲート再結成のために元メンバーが出現したという説。この線で行くと、ザガンよりもボディスの方が有力とされている。理由としてはザガンはすでに団体を離脱しており、ボディスは負傷による療養を終えたため出現したということである。黒衣の男は結果的か、あるいはその目的を持ってしてシャックスを援護したが、しかし、その援護対象であるシャックスが黒衣の男を警戒しているため、ハーキュリーズ犯人説と比べるとやや説得力に欠ける。もちろん、シャックスの演技という可能性もあるが、この説を補足するものとして、もうひとりの元メンバーであるシャドー・イーグルが6人タッグマッチでファルコンを掟破りのファルコン・クラッシュを見舞った上で勝利している点である。そのイーグルの動きは、デビルズ・ゲート再結成の狼煙、さらには軍団抗争の再来を予期させるものとされている。

ニック・リーガン

インフェニティ・ポッシブルでフィニッシャーに敗れたリーガンが、腹いせに試合に乱入した説。これに関してはほとんど支持されていない。なぜなら、もしリーガンであれば正体など隠さず、堂々とやるだろう。

それ以外の人物

その他の所属選手、または新たに所属することになった選手がインパクトを与えるためにフィニッシャーを襲った説。あまり支持はされていないが、フィニッシャーの元タッグパートナーで現スター王者のフライ・キッド犯人説がある。動機としてはフィニッシャーの活躍を妬んだからであるという。しかし、キッドはメイン戦の前に防衛戦を行い、その際足にダメージを負っているが、黒衣の男はまったくその素振り見せていない。またキッドはその試合で必殺技カナディアン・ネックブリーカーを足のダメージから断念している。

すでに所属している選手ではなく、新たな所属選手の場合、否定材料こそ無いが、やはりフィニッシャー・バスターを見舞った点、それは見逃せない。確かにより強烈なインパクトを与えるためにというのであれば、その通り頷けるが、そこにはメッセージまたは何らかの意図があるようにも思えなくもない。

ざっと犯人の候補・説に触れてみたが、現段階の材料では犯人を断定するには至らない。また黒衣の男が出現した場合には、その動向に注目していきたい。

DESTINY Season1 April 1st 「BRAVE」

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インフェニティ・ポッシブル明け、第1回のBRAVE。

【参考記事】

GMから今夜のBRAVEのメイン戦にて、ザ・フィニッシャーがDESTINY王座挑戦することが発表される。

「BRAVE」対戦カード(全5試合)

・DESTINY"非公認"アンダードッグ王者戦 ジャスティン・デューク(c) vs X

・DESTINYスター王座戦 フライ・キッド(c) vs X

6人タッグマッチ スズキ・ルイ&三井マキ&キャサリン vs 宝生ダリア&リサ&レイラ・トンプソン

6人タッグマッチ ファルコン&エリック&ポセイドン vs シャドー・イーグル&ジ・エンターテイナー&デザイア・ハート

・メインイベント DESTINY王座戦 シャックス(c) vs ザ・フィニッシャー

試合結果

実況「インフェニティ・ポッシブル明けのBRAVEです!!今年も熱狂の内に幕を閉じました!!」

解説「いや、今年も凄かったな。新しいアンダードッグ王者、スター王者、そしてDESTINY王者が誕生した。それに何より、フィニッシャーがリーガンに勝利した!!この勝利は非常に大きい!!」

実況「はい、その通りです。そして今夜、そのフィニッシャーが新DESTINY王者シャックスに挑みます。シャックスは初防衛戦となりますが、フィニッシャーは波に乗っており、激闘必至です!果たしてDESTINY王座戦はどうなるのでしょうか!?」

・ファルコンのプロモ(マイクパフォーマンス)

ファルコン「GMから発表があったな。ザ・フィニッシャーがDESTINY王座に挑戦するらしい。だが俺には再戦権がある。なぜなら、俺はインフェニティ・ポッシブルでシャックスに負けて王座を失い、前王者となっちまったからだ・・・。しかも、アイツは実力で俺を破った。確かにアイツのドリーム・ロード・トーナメント優勝には物言いがつくが、それでもアイツは俺を倒して実力を証明したんだ。チクショウ、悔しいぜ・・・。俺はさっきGMに伝えた・・・。」

実況「かなり深刻な感じですが・・・。」

解説「どういうことだ?」

ファルコン「今度開催されるPPVセンセーショナル・ストームで再戦権を行使することを!!だから、俺は今夜の王座戦で勝ったヤツにPPVで挑戦するぜ!!シャックスが勝つのか・・・。それとも新王者が誕生するのか・・・。」

ここで歓声が起こる。

ファルコン「そうだ、フィニッシャーが新王者になるのかもな!!俺は誰が相手であろうと次は必ず勝って、王者に返り咲くぜ!!もし、フィニッシャーが今夜勝ち、PPVで挑戦して俺が勝ったとしよう。シャックス、お前を是非、挑戦者として指名してやる。まぁ、これはあくまで"IF"だ。もしかしたら、PPVでそのまま俺がシャックスに挑戦することになるかもしれない。まぁ、とにかく今夜のメインは注目だ!!」

実況「やはりファルコンは凄い自信です!!」

解説「アレくらいの自信があるからこそ、王者でいられたんだ。そういや今夜、ファルコンは6人タッグマッチに出るんだろ?ここで弾みをつけたいところだ。」

実況「今夜、ファルコンはエリック、ポセイドンと組んで、イーグル、エンターテイナー、デザイア・ハートと戦います。ファルコンとイーグル以外の出場者には皆タイムリーに因縁があり、前回のインフィニティ・ポッシブルで戦ったばかりです。そしてそのファルコンとイーグルは過去に因縁があった者同士、しかもインフェニティ・ポッシブルで共に王座を失った、元王者同士でもあります。ということで、注目の一戦です。」

ジャスティンのプロモ

ジャスティン「戦いたい相手がいる。ショーゴ、君を挑戦者として指名する。君とはタッグパートナーだけでなく、ライバルとしても切磋琢磨していきたいんだ!」

高木翔吾が入場してくる。

高木「俺たちはあの時、一瞬戦えそうだったのに邪魔が入ったよな。でもお前はチャンピオンになった。今夜、そのベルトを賭けてあの時の仕切り直しをしてくれるのか?」

ジャスティン「そうだ。1対1の勝負をやりたいんだ。」

高木「望むところだ。やろうぜ!」

ここでアンダードッグ王座を賭けて試合が始まる。

・DESTINY"非公認"アンダードッグ王座戦 ジャスティン・デューク(c) vs 高木翔吾

お互い見合って、様子を伺いながらの立ち上がり。まず高木のヘッドロック。デュークをじっくりと締め上げてからダウンさせ、グラウンドのヘッドロックへ移行。ヘッドロックをかけられながらもデュークは膝をついて起き上がり、自分の頭と高木の腕の間に手を入れ、タイミングを見計らって一気にカウンターのハンマーロック!!そのまま技を外して高木を突き飛ばす。だが、高木は振り返って必殺技のハイキック!!しかし、デュークはしゃがんでかわし、クローズライン!!だが高木もかわして、逆にクローズライン!!それをもかわすデューク!!お互いに動きを止めてファイティング・ポーズ。観客から拍手が起こる。

この立ち上がりの通り、アンダードッグ王座戦ながら、凶器を使わない純粋なレスリング勝負となった。

終盤、高木はデュークに得意技のバックドロップを掛けようとするが、デュークは背後に着地、振り向きざまにドロップ・キックを見舞う!!デュークは高木をフォールするが、カウント2。デュークは倒れている高木を起き上がらせるが、その瞬間、高木はデュークに足を掛けて転倒させ、そのまま持ち上げてバックドロップを決める!!それからデュークが起き上がるのを待ち構えて、必殺技のハイキック!!しかし、デュークは避けて高木にトーキックを食らわし、必殺技のバタフライ・エフェクトの体勢に!!だが高木はその体勢から逃れて、デュークの右腕に飛びついて必殺技の腕ひしぎ逆十字を決める!!デュークはじたばたして逃れるタイミングを掴もうとするが、ロープも遠く、ほぼ完全にキマっている。それでもデュークはギブアップしない!デュークは左手を高木の右脚に手を回しつつ、片膝をつきながら、技をキメられながらも徐々に起き上がる。そして、技をキメている高木を持ち上げて、カウンターのパワーボムを炸裂させ、フォール!!高木はすかさずカウント2で返すが、ついに技を解いてダウン。デュークも倒れたまま右腕を抑えている。両者同時に起き上がり、デュークが先に左手で連発でジャブを浴びせるが、あまり効いていないのか、高木はデュークの右腕を捻り、デュークは悶絶する!高木はそのまま瞬時にハンマーロックをかけて背後を取るが、デュークは左腕でエルボーを連発。高木が怯んだ隙にデュークは体勢を入れ替えて電光石火のバタフライ・エフェクト!!そのままフォールして、カウント3!デュークの勝利、王座防衛!!

・ジ・エンターテイナーのVTRプロモ

薄暗いバックステージ、そこにエンターテイナーが僅かな赤い色の照明で不気味にその姿が映し出している。

エンターテイナー「あの時、世界中は目撃した・・・。この俺様が不正によって敗れたことを・・・。そうだ、俺様はエリックのチープ・ショット(卑劣な攻撃)によって負けたんだ!!この俺様は夢の舞台で去勢されたんだ!!当然ながら、あの結果を受け入れることはできん!!エリック、お前は俺様を再起不能にしたつもりか?むしろ、"目に目を"のつもりか?俺様はもっとお前を去勢したくなったぜ!!マジでルール無視は許せねぇ!!お前はいつもルールを破ってきたんだ!!それにファンもまた歓声を上げた!!エリックとファンは総じてクソだ!!今夜、6人タッグマッチが組まれた。そこでお前に思い知らせてやる。覚悟しろ・・・。」

・DESTINYスター王座戦 フライ・キッド(c) vs スコット・サンダース

スター王座を獲得したばかりのフライキッドの初防衛戦の相手は、なんとかつてDESTINYに参戦していたフリーの大物スコット・サンダースであった。そう、スコット・サンダースは電撃入団を果たし、サプライズの形の登場となった。

サンダースは地味ながらも、サブミッションを得意とする実力派で、正式入団一戦目からスター王座戦ということに誰も異議を唱えるものはおらず、むしろ、このサプライズにファンは熱狂した。

キッドは驚きながらも、サンダースとロックアップをして試合開始。

終盤、キッドはペンデュラム・バックブリーカーをサンダースに浴びせてコーナーに上がる。キッドはサンダースが立ち上がるのを待ち構えて、必殺技のダイビング・クロスボディ!だが、サンダースに抱えられてキャッチされる。そんなキッドは抵抗して着地、逆にDDTを浴びせる!!それからキッドはサンダースをもう一つの必殺技のカナディアン・バックブリーカーの体勢に持ち上げるが、サンダースはキッドの背後に着地して、左裏目掛けてチョップ・ブロック!そのままキッドの左足にアンクル・ロック!!すぐさま、キッドは体勢を入れ替えて右足でサンダースを蹴り、阻止。しかし、サンダースはキッドの右足を取り、必殺技のTボーン・スラム(Tボーン・スープレックスの状態からパワースラムの要領で叩きつける)を炸裂させ、そのままフォール!!キッドはなんとか2で返す!!サンダースはキッドの左足にまたアンクル・ロック!!がっちりとキマり、苦しむキッドに「タップしろ!!」と叫ぶサンダース。キッドはもがきながらも、なんとかロープを掴む。サンダースは技を解くが勝負を決めるぞとばかりに、またキッドの右足を持ってTボーン・スラムの体勢となる。だがキッドはパンチを連発して逃れて、右足でエンズイギリを浴びせる!!そのまま畳み掛けるようにサンダースにカナディアン・バックブリーカーを掛けようとするが、左足にダメージが蓄積しているため、持ち上げることができない。キッドすぐさま、サンダースを倒し、奥の手チキンウィング・クレイドルで丸め込んで3カウント!キッドの王座防衛!!試合後、キッドとサンダースは握手。

・シャックスのプロモ

シャックス、歓声とブーイングが入り混じる中、リングに上がる。

シャックス「どうやら、俺はあまり歓迎されていないらしい。俺はドリーム・ロードで優勝し、ファルコンをクリーンファイトで破ったんだぞ。何が不満なんだ。そうか、お前たちの思惑は読めてる。俺は悪魔だけにお前たち人間の心を読むのは簡単だ。せっかくの今夜の王座戦、ファルコンvsフィニッシャーの方が良かったとな。フン、無理だ!なぜならこの俺がお前たちの大好きなファルコンを下して、王者になったからな。しかも、大事だから二度言う。クリーンファイトでファルコンを破ったんだ。残念ながら、お前たちのDESTINY王者はこの俺、シャックスなのだ。」

大ブーイング。

シャックス「それからフィニッシャー、お前はザ・フィニッシャーという変な名前だな。過去にはもっと変なギミックだった。そんなイロモノが急にもてはやされるようになり、トップに近づいた。そりゃ、右ストレートで潰されるぜ!!」

さらに大ブーイング(声援もちょっと混在)。

シャックス「フィニッシャー、お前はニック・リーガンとやらを倒したが、この俺は偉大なるDESTINY王者だ。どんなにその勝利が騒がれても、その差は圧倒的なのだ。ついでリーガンにも言っておく、この俺が王者なのはフェイクじゃない。紛れもなくリアルだ。」

少し拍手が起きる。

シャックス「フィニッシャーに話を戻そう。俺はフィニッシャーに右ストレートよりも強烈なSDM(必殺技スピークリング・デビルズ・サモンの略、シャイニング・ウィザード)を浴びせてやる!!覚悟しろ。」

6人タッグマッチ スズキ・ルイ&三井マキ&キャサリン vs 宝生ダリア&リサ&レイラ・トンプソン

ダリア組はチームワークが悪く、対戦権のあるリサが戦っているとダリアが、リサの肩をパチンと強く叩いてタッチ!!強引に対戦権を得て、ダリアはリングイン。すると、リサは女子王座ベルトを勝手に持ち出して、背後からダリアをベルトで殴る。試合はノーコンテスト!!リサはベルトを掲げて、次は自分が挑戦者だとアピール。だが、そこにルイがやってきてリサを攻撃。ルイはリサが落としたベルトを持ってじっと見つめている。しかし、マキとキャサリンがやってきてベルトを3人で奪い合う。さらにそこにレイラがやってきてベルトを指差す。

解説「これは挑戦表明ということか!?」

実況「絶対王者ダリアに包囲網が敷かれています!!女子王座戦線は混乱を極めるのでしょうか!?」

・バックステージ、ザ・フィニッシャーへのインタビュー

アナウンサー「フィニッシャー、今夜、DESTINY王座に挑戦することになりましたね。是非、その意気込みをお聞かせください。」

フィニッシャー「これは嬉しいサプライズだ。だって直前に聞かされたんだからな!それに俺はインフェニティ・ポッシブルでリーガンと戦ったばかりで、まだまだ興奮気味だぜ!!みんなも盛り上がったろ!!」

歓声が起こる。

フィニッシャー「まぁ、リーガンはああいうヤツだが、戦ってみたらとてもハートを感じた。そしてシャックス、お前はチャンピオンになったが、防衛させないぜ!!だって、そのベルトを俺がいただくからな。お前の天下は三日天下になるんだよ!!」

そこにファルコンがやってくる。

ファルコンはアナウンサーに対して、「インタビュー中、失礼するよ。」と言う。

ファルコン「いよいよ、DESTINY王座に挑戦だな。今夜の試合に注目しているぞ。けどな、ヤツは強い。俺に勝ったからな。それに何が起こるか分からない。でもな・・・。フィニッシャー、健闘を祈る!!お前の全てを見せてこい!!」

フィニッシャー「アンタもな。」

ファルコンは握った右手を突き出す。フィニッシャーも握り拳を突き出して、グータッチ。

6人タッグマッチ ファルコン&エリック&ポセイドン vs シャドー・イーグル&ジ・エンターテイナー&デザイア・ハート

エリックとハートが戦っていると、エンターテイナーはハートにタッチを諭す。ハートはそれに応えてタッチし、エンターテイナーとエリックの戦いとなる。

エンターテイナーはエリックの背中にハイニーを食らわし、それからエルボーを叩き込む。するとエンターテイナーはエリックへの攻撃を止めてコーナーに控える二人に何やら耳を打ちをする。二人はそれを了承した様子。それからエンターテイナーはエリックの方に戻ってストンピングで攻撃を再開。そこで突如、イーグルはリングインをして、レフェリーはそれを見かけて注意。イーグルがそれを止めると、今度はハートがリングインしようとする。そう、二人はレフェリーの注意を引いており、その隙にエンターテイナーは(カメラからを正面とすると)左側手前のコーナーの一番上のターンバックルを外し、金具を剥き出しに。エンターテイナーは倒れているエリックを起き上がらせて、金具剥き出しのターンバックルにエリックを振るが、エリックは寸前で二つ目のターンバックを足で蹴り抑えて回避。しかし、エリックはエンターテイナーに背を向けた状態となり、すぐさまエンターテイナーはエリックに向かって突進するが、エリックはその体勢のままトップロープを両手で掴んでジャンプし、エンターテイナーを飛び越えつつ、エンターテイナーの背後に着地!逆に背後を取ったエリックはエンターテイナーにスクール・ボーイで丸め込んで"得意のテクニック"を炸裂させる。しかし、エンターテイナーは焦りながらもカウント2で返す!!起き上がったエンターテイナーはクローズラインをするが、エリックはかわし、カウンターの捻りを加えたエンズイギリを食らわす!!エリックはエンターテイナーをフォールするが、イーグルがカットに入る。

終盤、ファルコンとイーグルの一騎打ち。イーグルのエルボーをかわしたファルコンは得意技ファルコン・アローが炸裂させる!!そこにエンターテイナーとハートがリングインするが、ファルコンはフライング・クローズラインで2人をまとめて蹴散らす。だが、イーグルがファルコンを背後から得意技のフルネルソン・スラムを決め、フォール!!そこにポセイドンがカットに入り、そのままイーグルに必殺技のランニング・ニー!!しかし、エンターテイナーが復活してポセイドンに必殺技のフェイス・チェック!!今度はそのエンターテイナーにエリックが必殺技のシンボル・カット!!また今度はそのエリックに復活したハートがデスバレー・ボム!!それからそのハートをファルコンがシングル・レッグ・ドロップキックでリングから追い出す!!大混戦の後、またファルコンとイーグルの一騎打ちとなる。ファルコンはイーグルが起き上がるのを待ち構えて、必殺技のファルコン・クラッシュを決めるようとするが、イーグルがファルコンをキャッチ!!そのまま金具が剥き出しとなったターンバックに顔目掛けてぶつけ、ファルコンに掟破りのファルコン・クラッシュを決めてフォール、カウント3!イーグル組の勝利!!

実況「ファルコンは敗戦続きです。それにここにきてイーグルがその存在を主張してきました。」

解説「この混戦を制したのはイーグルだ。ヤツはスター王座を落としたばかりだが、それを払拭するつもりのようだ。それにファルコンの技で勝ったのは、お前との戦いはまだ終わっちゃいないということなのか?」

・メインイベント DESTINY王座戦 シャックス(c) vs ザ・フィニッシャー

今夜組まれたカードだが、ついにザ・フィニッシャーのDESTINY王座挑戦ということもあり、観客の声援は大きい。リングではDESTINY王者シャックスと団体の顔ザ・フィニッシャーが睨み合っている。

ゴングが鳴り、試合開始。

なかなかロックアップせず、間をたっぷりと使うが、先陣を切ったのはシャックス。いきなり、フィニッシャーに強烈なビンタを見舞う!それを受けたフィニッシャーは、なにやら「うんうん」と頷いている。シャックスはやってやったぞとばかりに得意げにしているが、フィニッシャーは仕返しにシャックスを殴る。シャックスも応戦し、殴り合いとなる。その殴り合いを制したのはフィニッシャーで、シャックスをロープに振るが、シャックスはロープに腕を絡ませてリバウンドを拒否。そのままリングからエスケープ。観客からブーイングと声援が同時に送られ、シャックスは得意げにリングサイドを歩いている。フィニッシャーはリングから降りてシャックスを追いかけるが、シャックスは逃げながら先にリングイン。フィニッシャーもリングインするが、シャックスが待ち構えており、フィニッシャーにドロップキックを見舞おうとするが、寸前で避けられる。ドロップキックに失敗したシャックスにフィニッシャーはクローズライン。それからシャックスを起き上がらせて、ベリー・トゥー・ベリー2連発!!続け様に倒れているシャックスを持ち上げてジャーマンで投げるが、シャックスは後方宙返りの要領で背後に着地。背後からフィニッシャーをロープに押し込んで伝家の宝刀のオコーナー・ロール。だがフィニッシャーはセカンドロープを掴んで抵抗。それからシャックスの頭にバックエルボーを食らわせ、腹や頭もパンチを連打する。フィニッシャーはシャックスを攻撃するためにロープに向かって走って勢いをつけるが、シャックスはトーキックで迎撃し、フィニッシャーをコーナーに振る。シャックスはコーナーにもたれ掛かかるフィニッシャーの胸板にチョップを連発!それから対角線のコーナーに向かい、走り込んで勢いをつけてエルボースマッシュ!!そのままもたれ掛かるフィニッシャーを退かせてコーナーに上がり、ダブル・アックスハンドル!!フィニッシャーをフォールするが、カウント2!!

シャックスは倒れているフィニッシャーの脇腹をキックし、馬乗りになってエルボー連発。それから手を広げてアピールし、観客を煽る。

それから攻守逆転したフィニッシャーはシャックスをロープに振り、自らも反対側のロープに向かって走る。フィニッシャーはリバウンドしてきたシャックスにクローズラインを見舞おうとするが、シャックスは上半身を屈めてかわし、お互いにまたロープに向かって走る。そして今度はシャックスがフィニッシャーにヒールキック!!クリーンヒットし、倒れるフィニッシャー。勝機を悟ったシャックスはフィニッシャーを起こして得意技のシャックス・ドライバーを炸裂させる!!それから必殺技のSDMを仕掛けるが、フィニッシャーはかわして、シャックスの両足を掴んで倒し、得意技のシャープシューター!!しっかり腰を落として締め上げる。両足を絡ませられているため、シャックスはなかなかロープまで張っていくのは難しい。だがシャックスはギブアップせず、なんとか張ってロープブレイク!!フィニッシャーは攻撃の手を緩めず、エルボーを投下、それから起き上がらせてスープレックス!!フォールするが、カウント2!!フィニッシャーは続け様にシャックスの腕を捻ってからDDTの体勢に持って行くが、シャックスは寸前で身体を入れ替えて、カウンターのノーザンライト・スープレックス!!そのままブリッジしてフォールするが、カウント2!!シャックスは膝立ちするフィニッシャーの胸にキックを連発し、頭にもキック!!フィニッシャーを起き上がらせて、シャックスはその場飛びハリケーンラナ!!しかしフィニッシャーはキャッチ、それから連続パワーボムを炸裂させる!!フィニッシャーはなんとか這ってシャックスをフォールしようとするが、突如復活したシャックスはフィニッシャーにクロスフェイス!!両腕でフィニッシャーの頭を締め上げる!!レフェリー、フィニッシャーの右腕を持ち、気絶しているか確認(計3回、レフェリーが技を掛けられている選手の腕を上げてから離す。その選手が3回とも力無く、腕下ろしたら気絶とみなし、技を掛けている選手の勝利となる)。2回、フィニッシャーの腕はだらりと落ちるが、3回目で腕を上げて敗北から逃れる。フィニッシャーはなんとか立ち上がり、右腕でシャックスの腹にエルボー連打。ついに技を解くシャックス。そして、シャックスの右腕を捻りDDT!!勢いに乗ったフィニッシャーは定番ムーブ、クローズライン二連発からロープに振って、リバウンドしてきた瞬間にパワースラム!!リング中央でグロッキーとなっているシャックスに、ランニング・レッグドロップ!!それからシャックスが起き上がるのを待ち構えて、必殺技のフィニッシャー・バスターをかけようとするが、シャックスがカウンターのデビルズ・ショット!!だが、シャックスはカバーに行けず、両者ダウン状態に。

フィニッシャーとシャックスはゆっくり同時に立ち上がり、殴り合う。また殴り合いを制したフィニッシャーは得意技のスーパーキックを放つが、シャックスは寸前で避けて背後に回る。そのままフィニッシャーをロープに押し込んで2回目のオコーナー・ロール!!しかし、フォールせず、背後で距離を取って2発目のデビルズ・ショットを狙う。立ち上がったフィニッシャーが振り向いた瞬間、シャックスは走って向かっていくが、フィニッシャーは電光石火のスーパー・キック!!顎にクリーンヒットし、シャックスは力なく倒れる。勝機を悟ったフィニッシャーは再度バスターを狙う。だがそこに突如、フードで顔を隠した謎の黒衣の男が乱入!!フィニッシャーを背後からクローズライン!!さらに続け様にフィニッシャーにフィニッシャー・バスターを食らわす!!試合は無効試合に。シャックスは状況を飲み込めていないが、黒衣の男を警戒しつつリングから降り、ベルトを大事そうに抱えて去っていく。リングには黒衣の男が倒れたフィニッシャーを見下ろし続けている。

解説「ヤツは一体誰なんだ!?」

実況「いや、今のところ検討もつきません・・・。とにかく今ハッキリとしているのは謎の男はフィニッシャーを襲撃したということです・・・。これから一体どうなってしまうのでしょうか!?」

タツ・マモルのプロレスコラム 第2回 悪魔鳥人シャックスと悪魔軍団-デビルズ・ゲート-の興亡史

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強烈な光は、漆黒の闇がなければ意味を成さない。つまり、英雄のいる地に邪悪な者達が降臨するのだ・・・。

第2回、このプロレスコラムでは悪魔鳥人シャックスと悪魔軍団-デビルズ・ゲート-の興亡について語りたい。

悪魔鳥人シャックスは現在、DESTINY王者であり、トップヒールとして団体に君臨している。

彼は以前開催されたドリーム・ロード・トーナメントで優勝し、それからDESTINY最大の特番インフェニティ・ポッシブルのメインイベントで王者ファルコンをクリーンファイトで破り、DESTINY王者となったのだ。DESTINYにおいて、インフェニティ・ポッシブルのメインでDESTINY王座を戴冠するということはかなり大きな意味を持っている。

インフェニティ・ポッシブルのファルコン戦の直前では、フィニッシャーvsリーガン戦という期待の一戦が組まれており、試合前の舌戦ではリーガンの口から、「DESTINYはフェイク」という発言が飛び出し、一気に話題を掻っ攫っていた。もちろん、ファルコン戦も期待されてはいたが、話題性も含めて期待値はフィニッシャー vsリーガン戦の方が上回っていた。いざ試合が始まると予想通り、激しい肉弾戦が繰り広げられ、しかもそれだけでは収まらず、実況席・防護壁まで破壊するというエキサイトぶりであった。まさにメインを食ってしまいかねない内容だったのだ。

その"荒れた中"、メインイベントが開始されたのである。しかし、いざ蓋を開けてみると通常の試合形式ながら、フィニッシャーvsリーガン戦に引けを取らない、メインイベントにふさわしい名勝負となった。ファルコンとシャックスはスタイルが似通った上に、互いをよく知り尽くしている。かつて両者は熾烈な軍団抗争を繰り広げたもの同士であった。そう、それはDESTINYの世界観を象徴とする抗争劇、シャックス属する悪魔軍団-デビルズ・ゲート-vsファルコン属する正義軍の善と悪の戦いであった。

シャックスと悪魔軍団-デビルズ・ゲート-

そもそもシャックスの由来はその名の通り、コウノトリの姿の悪魔シャックスからである。それから転じて"DESTINYのシャックス"には悪魔鳥人という異名が付けられている。

ベビー級ながら、優れた身体能力を活かしたスピード感溢れるファイトスタイルが特徴。フィニッシュムーブはSDM-スパークリング・デビルズ・サモン-(シャイニング・ウィザード)、得意技はシャックス・ドライバー(ノーザンライト・ボム)と、インフェニティ・ポッシブルのファルコン戦に向けて使い出したデビルズ・ショット(コンプリート・ショット)がある。またオコーナー・ロールなどの丸め込みを得意としており、前述のファルコン戦では、一度オコーナー・ロールで丸め込んだものの、二度目はその体勢に持ち込んだがフォールせず、それから距離を取ってデビルズ・ショットを見舞うという合わせ技を見せた。その一撃が勝利に繋がったのである。

シャックスは日々進化している。またマイクパフォーマンスもなかなかで、憎たらしいコメントも残す。だがデビルズ・ゲートの初期は自分からプロモ(マイクパフォーマンス)をするタイプではなかった。

デビルズ・ゲート メンバー

ザガン(離脱)

シャックス

ボティス(長期欠場中)

シャドー・イーグル(ザガン離脱後に登場)

初期のデビルズ・ゲートにはリーダーは存在しないとされていたが、実質"まとめ役"はザガンでスポークスマン役でもあった。無口ながらもパワーファイターなボディスに、身体能力を活かしたスピーディーなスタイルのシャックス、そしてオールラウンダーのザガンという、バランスの取れた悪役チームであった。それにメンバーのネーミングについて悪魔に詳しく方なら、ある規則性が存在することに気づくと思う。

また、いっさいその姿を見せてはいないが、デビルズ・ゲートの活動理由は魔王の意志を受けたものであるという。魔王の目的はこの団体を支配することであり、デビルズ・ゲートはその尖兵ということらしい。

そんな悪魔軍団デビルズ・ゲートはDESTINYに出現後、真っ先に英雄ハーキュリーズを標的とした。ここでDESTINYを象徴とする善と悪の戦いが幕を開けたのである。

最初は1対3という、数で勝るデビルズ・ゲートであったが、孤軍奮闘するハーキュリーズに、"ブラック・ファルコン時代"のファルコン(後述)とポセイドンが加勢、その3人で正義軍(正式名称は存在せず、便宜上この呼び名)を結成し、デビルズ・ゲートに対抗。いよいよ役者は揃い、ついに善と悪の軍団抗争の形となった。特にスタイルの似ているシャックスとファルコンが戦うと会場が盛り上がることから、徐々にその場面が増え、互いにライバル視するようになった。

しかし、ここでなんとザガンが団体を離脱してしまう。

ザガンの離脱とイーグル、予定前倒しの登場

デビルズ・ゲートの中心的人物の離脱は、せっかく勢い付いた抗争劇をストップしてしまいかねないものであったが、急遽シャドー・イーグルがデビルズ・ゲートの新メンバーとして登場(後述)し、なんとか3対3の構図を保つことには成功。

この章に至っては前回のコラムに続き、関係者X氏の詳しい証言を元に綴っていく。

唐突なザガンの退団劇については、以前からザガンが自身のキャラクターやストーリーラインに難色を示していたためだという。またイーグルは当初、第4のメンバーとして登場する予定だった。

ここでお気づきだと思うが、"シャドー・イーグル"は他の悪魔達のネーミングの規則性から外れている。それはイーグルのネーミングがブラック・ファルコンに対応したもの、つまり最初からブラック・ファルコンのライバルとして"デザイン"されたキャラクターなのだ。ファルコンの親友レスラーが悪魔に心をつけ込まれ、魂を売り渡した姿という設定である。

そのためイーグルの登場が控えていることから、当初は"役割の被る"シャックスとファルコンをライバル関係にするつもりはなかったが、前述の理由からライバルにせざるを得なかった。しかし、第2のライバル・イーグルの登場により、ファルコンのライバル関係はイーグルに移った。

なぜ、ファルコンにはイーグルという分かりやすいライバルが存在するのか?

"ブラック・ファルコン"はその名の通り、ダークな雰囲気を持つベビーフェイスで、独自の立ち位置にいるキャラクターである。しかし、そのキャラクター性によってどこか感情移入はしづらい。だからこそ、"元親友"イーグルという分かりやすいライバルかつ、悲劇のストーリーを追加することで感情移入しやすさと、さらなる人気獲得を狙ったテコ入れだったのだ。

また、元々ハーキュリーズとは被らない路線にはいるが、同じベビーフェイスかつ、正義軍に属しているため、その差別化をより深めるでもあるという。ここで重要なのが、ハーキュリーズ"統治時代"にファルコンはザ・フィニッシャーとは違って、人気を獲得してもあくまで2番手でいたことである。だからこそ、両者は共存できたのだろう。

あの予定の前倒しは、後のストーリーに大きな変更をもたらした。

第4のメンバー・イーグルの登場、それはつまりデビルズ・ゲートは4人体制のグループになる予定であったのだ。ということで、正義軍側も同じく、第4のメンバーの登場案があったという。あくまで正義軍側はまだ案の段階であったので、そのメンバーについては考えられていなかったようだが、もし第4のメンバーになるとしたら、一体誰だったのか?さらに正義軍・第4のメンバーの登場によって、この抗争劇やその後の団体の勢力図は今とは違ったものとなっていたに違いない。そこには想像の余地がある。

ザガンが離脱とイーグル登場により、ライバル関係を譲ることになったシャックス。だがこれが結果的にシャックスのキャリアの分岐点となる。ライバルという、せっかくの見せ場を失ったように思えるが、その中でシャックスは自らをデビルズ・ゲートのリーダーと宣言(シャックス・リーダー期を後期デビルズ・ゲートとする)、ザガンの代わりに積極的にプロモを行うようになり、デビルズ・ゲートの存在をアピールする。またそれだけなく、もともとのポテンシャルに狡猾さも加わって、正義軍のリーダー・ハーキュリーズと対等に張り合うようになる。

後期デビルズ・ゲートの隆盛と終焉

シャックス中心のデビルズ・ゲートは、そのヒールさに拍車がかかり、基本的にどの試合でも、試合に出場していないメンバーが積極的に加入、仲間を有利な方向に導いていく。この頃のデビルズ・ゲートへのブーイングの凄まじさは特筆に値するだろう。

その頂点ともいえるものが、シャックスがハーキュリーズの持つDESTINY王座に挑戦した時である。もはや語るまでもないが、当時のハーキュリーズは全盛期であり、観客はハーキュリーズ目当てで会場に訪れている。当然、ハーキュリーズが王座防衛する瞬間を見に来ているのだ。そこでなんとメンバーの介入を受けて、シャックスがハーキュリーズを破ってDESTINY王座を獲得する。

その瞬間、会場は割れんばかりの大ブーイングに包まれ、その中でシャックスは観客を煽るかのように誇らしげにベルトを両手で掲げる。その行為に観客はさらにヒートアップし、一部は暴動寸前であったという話もある。もちろん、熱心なプロレスファンはこの状況をしめしめと喜んでいたようだ。

リーダー・シャックスのDESTINY王座戴冠、つまりデビルズ・ゲートが最も隆盛を誇っていた時期であった。

それからのシャックスはファルコンなどを相手に"しっかりと"メンバーを介入させつつ、王座を防衛していく。シャックスの物言いのつく王座防衛劇の中、ファンたちの間で巻き起こるのはハーキュリーズ返り咲きへの期待・・・。

それが最高潮になった時、満を持してハーキュリーズの王座挑戦が行われた。王座戦直前には、ハンディキャップマッチ、ハーキュリーズvsボティス、イーグル戦が行われ、ハーキュリーズが勝てば、王座戦でシャックスのセコンドの禁止と、メンバーを試合に介入させた時点で、王座剥奪をルールに追加するというものだった。

もちろん、ハンディ戦という不利な状況でもハーキュリーズは試合を行った。

途中、そのハンディ戦で王座戦を有利に進めるため、シャックスが試合に介入しようとするが、ファルコンとポセイドンの2人に阻まれる。そしてハーキュリーズは2人を相手に辛くも自力で勝利を掴み、王座戦でメンバーの排除に成功する。ついにメンバーの介入を許さない正真正銘のシングルマッチ王座戦が行われることになった。シャックスはハーキュリーズ相手に執念を見せるが、ついに敗れ、王座から陥落する。

それ以降も抗争は継続したが、終わりの見えない抗争に決着をつけるために、デビルズ・ゲートvs正義軍のエリミネーション形式の6人タッグマッチが行われた。このルールでは試合に敗退したものが脱落していき、最終的に相手チームを全滅させたチームが勝利となる。つまり、通常のタッグマッチとは違い、誰か1人が敗退してもその時点で試合は終了しない。

次々と両チームのメンバーが脱落していく中、最後に残った者はシャックスとハーキュリーズという、チームの大将戦となった。シャックスはハーキュリーズのパイルドライバー、キャメルクラッチの必殺技フルコースを耐え凌ぎ、デビルズ・ゲートのリーダーとしての意地を見せる。その粘りは観客の心の変化を生み、一部の観客はシャックスに声援を送るようになる。シャックスはこの一瞬、ベビーとヒールの境界線を超越したのだ。シャックスは声援に奮起したのか、渾身の必殺技SDMをハーキュリーズに炸裂させる。しかし、それでも勝利は奪えない。ハーキュリーズも負けるわけにはいかないのだ。両者共に体力の限界まで戦う激しい消耗戦となり、この試合はDESTINY屈指の名勝負となっている。終盤、ハーキュリーズはシャックスをロープに振り、リバウンドしてきた瞬間に得意技のチョーク・スリーパーを敢行。シャックスをじっくりと締め上げてから、そのまま腰に手を回してジャーマン・スープレックス!そのままホールドして、ハーキュリーズは美しいブリッジを描く。そしてついに3カウント!!ハーキュリーズはシャックスからフォールを奪い、正義軍の勝利となる。ようやく、善と悪の抗争の決着がついたのだ。

ハーキュリーズはいつもの必殺技ではなく得意技で勝負を決めるという、そのイレギュラーさは勝利への執念を十分に感じさせるものだった。

抗争に敗北したデビルズ・ゲートはまだ存続していたが、正義軍と抗争していた時に比べてパッとせず、軍団としてのピークを過ぎてしまったようだ。それでもシャックスはスター王者となり、ボディスとイーグルはタッグ王者になったこともあったが、ボディスが試合中に負傷。長期欠場となって、ついにデビルズ・ゲートは自然消滅してしまう。

その後、シャックス、イーグルはそれぞれシングルプレイヤーとして活躍し、イーグルはスター王座となったり、シャックスに至っては前述の通りの活躍である。シャックスはトーナメントを優勝するまで、以前と比べてインパクトは残していなかったが、フィニッシャーなどの躍進の裏で、実は中堅以上の地位をしっかりとキープしていたのだ。

ここで抗争終了後の正義軍のメンバーの活躍ついても触れておきたい。ハーキュリーズは第1回のコラムで書いた通り、団体の顔ながら低迷し、フィニッシャー戦でシュート事件を起こして団体から離脱。ポセイドンはそれ以降、スランプとなり、トーナメントの1回戦でシャックスに敗れたが、その後なんとか調子を取り戻しつつある。そしてブラック・ファルコンは名前からブラックを削除し、ファルコンと改名。それからハーキュリーズの低迷の裏でDESTINY王座を獲得し、トップに上り詰めた。

悪魔鳥人のこれから・・・

ファルコンを破ってDESTINY王者となったシャックス。その実績について単にトーナメント優勝と書いたが、実は大事な過程を"トリミング"した。そう、決勝のエリック戦では試合の最中にエリックと因縁のあるジ・エンターテイナーの介入もあって優勝したのだ。文句のつけようないの優勝ではなく、物言いのつく優勝というのがシャックスを体現している。だがもちろん、クリーンファイトでファルコンを破った実力者でもある。逆に言えば、ハーキュリーズを代表するベビーは文句なしの優勝を遂げるだろう。しかしヒールにとって、どんな手段で勝とうが勝ちは勝ち。つまり優勝は優勝である。重要なのは結果であり、その前の過程はトリミングしてしまって構わないのだ。それがプロレスの世界観でもある。

なんだかんだ言っても、トーナメント優勝からのインフェニティ・ポッシブルメイン戦でDESTINY王座獲得という実績、それはこれからのDESTINY王座戦線の中心はシャックスで、狡猾に長期政権を築きそうな気配である。シャックスはデビルズ・ゲート時代にもメンバー介入式の王座戴冠と防衛劇を繰り広げたが、今回は個人の力である。その違いはかなり大きい。それに自然消滅してしまったデビルズ・ゲートは善と悪の抗争劇という、DESTINYの世界観を観客に訴えるという役目を全うした。つまりその一員であり、リーダーであったシャックスはハーキュリーズと真逆の立ち位置で、団体に多大なる貢献をもたらしたのである。

そんなシャックスに対して、前王者のファルコンは再戦権を行使するだろうし、フィニッシャーはいつ王座に挑戦してもおかしくない位置にいる。それに優勝を掠め取られたエリックがこのまま黙っているとも思えない。シャックスへの包囲網はしっかりと敷かれているのだ。これを上手く潜り抜けるのか、それとも・・・、なのか?こういった予想こそ、ファンの楽しみのひとつと言えるだろう。

【参考記事】

DESTINY所属選手一覧 〜Pre season Infinity Possible終了時点〜

DESTINY所属選手と情報についてだが、これはあくまでInfinity Possible終了時点でのもので、その後また更新したものを投稿する予定。

所属選手

選手名の横の鉤括弧の中のイニシャルは立ち位置を表している。Bはベビー、Hはヒール、Nはニュートラル(どちらでもない)。

男子

シャックス(H)

ファルコン(B)

ザ・フィニッシャー(B)

ニック・リーガン(N)

エリック(B)

フライ・キッド(B)

ジ・エンターテイナー(H)

ブレイン・ジャック(N)

シャドー・イーグル(H)

ポセイドン(B)

ジャスティン・デューク(B)

アレックス・オブライエン(H)

ウェイストランド・キング(B)

アンダードッグ鬼塚(N)

ウィズ(B)

デザイア・ハート(H)

ブラッディ・キース(N)

ルーク・バーンズ(H)

高木翔吾(B)

カタストロフィー(H)

ザ・ハードコア(H)

ザ・USA(H)

マイティ・ライアン(B)

リュウ・シラヌイ(B)

ケヴィン・ウィリス(H)

ディメンジョン・ジョーカー(H)

女子

宝生ダリア(N)

スズキ・ルイ(B)

ジュディ・テイラー(H)

リサ(H)

三井マキ(B)

キャサリン(B)

レイラ・トンプソン(N)

小野田綾乃(B)

ソフィア(H)

青柳芽衣(B)

タッグチーム

ロード・ロッケンローラー(ウェイストランド・キング&ウィズ)

ブラッディ・ジャッカー(ブラッディ・キース&ブレイン・シャック)

ジャスティン・デューク&高木翔吾

アレックス・オブライエン&ルーク・バーンズ

ザ・リベリオンズ(ザ・ハードコア&ザ・USA)

欠場選手

ボティス(H)

退団・離脱選手

ハーキュリーズ

ザガン

タイトルホルダー

DESTINY王座 New!シャックス

DESTINYスター王座 New!フライ・キッド

DESTINYタッグ王座 ロード・ロッケンローラー(ウェイストランド・キング&ウィズ)

DESTINY女子王座 宝生ダリア

DESTINY非公認アンダードッグ王座 New!ジャスティン・デューク

実況・解説

実況 ロバート・ケンドリック

解説 ブライアン・ウィリアムス(元レスラー)

GM

ジョージ・ブッカー

DESTINY Pre season march PPV「Infinity Possible」

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DESTINY最大のPPV「Infinity Possible」このPPVのメイン戦に出場することはDESTINYにおいて最大の名誉である。また1年間の集大成かつ、節目でもあり、ここからまた新たな1年が幕を上げるのだ。

ここで前回開催のPPV「Dream Road」と、ドリーム・ロード・トーナメントについて触れたい。

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トーナメントは16人で行われ、優勝者はインフェニティ・ポッシブルのメイン戦でDESTINY王座挑戦することができる。DESTINYスター王者のシャドー・イーグル、DESTINYタッグ王者組ロード・ロッケンローラーのウェイストランド・キングとウィズがそれぞれ参加し、DESTINY王者ファルコンとNo.1コンテンダーであったブレイン・ジャックは不参加。トーナメントの1、2回戦はBRAVEで行われ、準決勝、決勝戦はPPVドリーム・ロードで行われる。

参加者

ウェイストランド・キング

ジャスティン・デューク

アレックス・オブライエン

高木翔吾

シャックス(優勝)

ポセイドン

ニック・リーガン

ザ・フィニッシャー

ブラッディ・キース

デザイア・ハート

エリック

ジ・エンターテイナー

シャドー・イーグル

ウィズ

アンダードッグ鬼塚

フライ・キッド

1回戦

・○キング(サブミッション)デューク×

・○オブライエン(ピンフォール)高木×

・○シャックス(ピンフォール)ポセイドン×

・×リーガン(両者リングアウト)フィニッシャー×

・×キース(ピンフォール)ハート○

・○エリック(ピンフォール)エンターテイナー×

・○イーグル(ピンフォール)ウィズ×

・×鬼塚(反則負け)キッド○

2回戦

・○キング(ピンフォール)オブライエン×

・○シャックス、不戦勝(リーガン、フィニッシャーが両者リングアウトとなったため)

・×ハート(ピンフォール)エリック○

・×イーグル(ピンフォール)キッド○

準決勝

・×キング(ピンフォール)シャックス○

・○エリック(ピンフォール)キッド×

勝戦

・○シャックス(ピンフォール)エリック×

優勝者:シャックス

また、DESTINY王座戦ファルコン vs ブレイン・ジャックはファルコンが王座防衛し、インフェニティ・ポッシブルのメイン戦はファルコン vs シャックスとなった。

「Infinity Possible」対戦カード(全9試合)

・DESTINYタッグ王座戦 ロード・ロッケンローラー(ウェイストランド・キング&ウィズ)(c) vs ブラッディ・ジャッカー(ブラッディ・キース&ブレイン・ジャック)

シングルマッチ ポセイドン vs デザイア・ハート

・DESTINY"非公認"アンダードッグ王座戦 5WAYマッチ アンダードッグ鬼塚(c) vs アレックス・オブライエン vs ジャスティン・デューク vs カタストロフィー vs 高木翔吾

シングルマッチ エリック vs ジ・エンターテイナー

・タッグマッチ 三井マキ&青柳紗衣(さえ) vs リサ&ジュディ・テイラー

・DESTINYスター王座戦 ラダーマッチ シャドー・イーグル(c) vs フライ・キッド

・DESTINY女子王座戦 宝生ダリア(c) vs スズキ・ルイ

・ノーDQマッチ ザ・フィニッシャー vs ニック・リーガン

・DESTINY王座戦 ファルコン(c) vs シャックス

試合結果

・DESTINYタッグ王座戦 ロード・ロッケンローラー(ウェイストランド・キング&ウィズ)(c) vs ブラッディ・ジャッカー(ブラッディ・キース&ブレイン・ジャック)

試合・抗争の経緯

特に今まで因縁があるわけではなかったが、王座戦が組まれたことにより、血の気の多い両チームは激しい闘争心を剥き出しにする。前回のPPVでは、王座組のウェイストランド・キングがトーナメントの準決勝まで進出し、一方、挑戦者組のブレイン・ジャックはDESTINY王座に挑戦、あと一歩の所まで追い詰めるなど、双方共にシングルでも結果でも勢いに乗りかけていた。しかし、王者組はDESTINYタッグ王座戦線での強豪であり、その牙城を崩すのは並大抵のことではない。

試合の結果

両チーム互角に試合を進めるが、終盤の混戦にてウィズは必殺技のキラー・ヘッドバット(殺人ヘッドバット)をジャックに決める!だが、その背後をキースが狙うが、そのキースにキングがスリーパー・スープレックスを食らわせ、ウィズのピンチを救う!!勝機を悟ったウィズはコーナーに上り、グロッキーのジャックに大一番の必殺技のダイビング・ヘッドバットを炸裂させ、3カウント、ロード・ロッケンローラーが王座防衛!!

シングルマッチ ポセイドン vs デザイア・ハート

試合・抗争の経緯

両者共にトーナメントに出場したものの、相見えることなく敗退。ポセイドンは初戦敗退、ハートは2回戦敗退だった。ポイントとして抑えておきたいのは両者を破った相手は共に決勝進出者である。しかしポセイドンを破った優勝者シャックスは、かつてポセイドンと熾烈な軍団抗争を繰り広げた者同士だった。ポセイドンはハーキュリーズ率いる正義軍(その他のメンバーはファルコン)に、シャックスは悪魔軍団-デビルズ・ゲート-(その他のメンバーはボディス、シャドー・イーグル)に属していた。勝利を収めたのはポセイドン属する正義軍で、敗戦後のデビルズ・ゲートは勢いを失い、それからボディスが長期欠場しことによって軍団は自然消滅。だが現状、シャックスはトーナメント初戦でポセイドンをクリーンファイトで破っており、ポセイドンはシャックスに大きな差をつけられていた。

そんなポセイドンは前述の通り、ハーキュリーズ率いる正義軍に属すという大きな期待値もあり、体格は小さいながら真っ向勝負のスタイルがファンに支持されていた。しかし、今ではかつてのような勢いを失い、くすぶっていた。

一方、ハートはDESTINYに入団して数ヶ月だったが、トーナメントに出場。エリック相手に2回戦敗退だったものの、敗因はエリック"お得意のテクニック"による丸め込みだった。ハートはポセイドンと比べて、トーナメント敗退については意に介してないようで、王座経験はまだ無いが、寧ろ登り調子だった。トーナメントについて振り返った際、パフォーマンスを含むだろうが、「決勝進出者エリックに敗れたのなら、光栄」と余裕綽々な態度を見せていた。両者にはまだ接点はなかったが、PPVドリーム・ロード終了直後のBRAVEで、ついに相見えることになる。

バックステージでポセイドンがインタビューを受けている時に、たまたまハートが通りがかる。

ハート「やぁやぁ、君はポセイドンではないか。」

ポセイドン「なんだ?」

ハート「しかし、君よりも私の方が注目されるべきではないのかね?」

ポセイドン「どうしてだ?」

ハート「私は君とは違ってデビュー後もまだ勢いは失ってはない。だが君は失速中、それにトーナメント初戦敗退だ。私は2回戦には進出した。この違いは大きい。確かに君は真っ向勝負が持ち味らしいが、いつも君は木っ端微塵になる。当たって砕けてはなんら結果は出していない。そろそろ、君は去り時ではないかね?」

ポセイドン「確かに俺は結果を出していない。だが、諦めちゃいない!それにお前さんは俺にマウントを取れる程の結果を出しちゃいないだろうが。」

ハート「よし、それなら血気盛んな君にチャンスをやろう。インフェニティ・ポッシブルで私と一騎打ちをしよう。君が勝てば、君の実力はまだ健在だと証明できる。逆に私が勝てば、私はさらに勢いがつく。まぁ君に勝ったとて、その結果はたかが知れてるが、どうかね?」

ポセイドン「・・・・・・、俺の答えはこうだ。」

ポセイドンはハートを殴り倒す。

ポセイドン「あまり図に乗るなよ。」

こうして両者に因縁が生まれ、試合が決定した。

試合の結果

両者組み合って試合開始。ハートはポセイドンの腕を取るが、ポセイドンはロープに振って回避。ポセイドンはハートを待ち構えてクローズラインを狙うが、2回連続屈まれて回避される。3回目でハートはポセイドンの背後に回ったものの、技には移行せず。すぐさまポセイドンは振り返り、両者見合う。ハートは両手を広げて挑発的なアピール!ポセイドンはそれに反応してハートを殴り倒す。それから2発パンチを放ち、その度に倒れては起き上がるハート。ポセイドンはロープに走り、リバウンドしてくるが、ハートはフワッと飛び上がる独特のドロップ・キックで迎撃。

中盤、ポセイドンはハリケーンラナでそのままハートをフォール。ハートはカウント2で返し、逆に体勢を入れ替えてポセイドンを丸め込む!ポセイドンは2で返し、それから両者意地の丸め込み合戦となる!!しかし、それでは決着とはならず、痺れを切らしたハートはポセイドンをブルドッグでダウンさせる。続け様にハートはロープに向かって走り、セカンドロープをバネにポセイドンに向かってクロスボディを敢行。だがポセイドンは避けつつボディブローで迎撃して、そのままDDT!!

終盤、ハートは得意技のテキサス・クローバー・ホールド!ポセイドンはギブアップしないが、確実に体力は奪われていく。それでもなんとかポセイドンは這ってロープブレイク。ハートは「私の方が上だ!君は大したことないよ!」と言って、ポセイドンの頭を軽く足蹴にし、はポセイドンを起き上がらせて、得意技のハーフ・フルネルソンスープレックスを狙うが、ポセイドンはかわして背後に回り、逆に得意技のレッグ・ホック・バック・スープレックス!そのままホールドするが、カウントは2!!優勢のポセイドンはハートを起こすが、突如、スモール・パッケージで丸め込まれる!だがポセイドンはカウント2で返す!!だがハートはポセイドンの腹に膝蹴りを浴びせて、ハーフ・フルネルソンスープレックスで放り投げる!!強烈な一撃により、ポセイドンはグロッキー。勝機を悟ったハートはポセイドンを必殺技のデスバレー・ボムの体勢で持ち上げる。しかし、ポセイドンは抵抗してハートの背後に着地、距離をとって必殺技のランニング・ニー!!ポセイドンはハートをフォールし、勝利!!

・DESTINY"非公認"アンダードッグ王座戦 5WAYマッチ アンダードッグ鬼塚(c) vs アレックス・オブライエン vs ジャスティン・デューク vs カタストロフィー vs 高木翔吾

試合・抗争の経緯

この一戦も特に出場同士の因縁があるわけでもなく、PPVということで特別に組まれた試合形式(この試合は5人で戦うが、誰かがフォールまたはタップを奪った時点で試合終了し、勝者となる)である。ちなみに、この試合の出場者のデュークと高木は同じ歳ということもあり、タッグを組む仲であった。

試合の結果

5WAYのアンダードッグ王座戦ということで目まぐるしい展開となり、また至る所で激しい衝突が繰り広げられた。

中盤、翔吾とデュークがリング上で睨み合う。しかし、翔吾はオブライエンに、デュークはカタストロフィーに攻撃される。終盤、鬼塚とデュークの一騎打ちとなる。鬼塚はデュークに向かって椅子を振り下ろそうとするが、カウンターのドロップキックを食らう!椅子目掛けてのドロップキックだったので威力抜群である。デュークは鬼塚の手から離れた椅子を拾う。それを見た鬼塚は、自分を椅子で殴れとジェスチャー。一瞬、躊躇ったものの、デュークは鬼塚を椅子で殴り、それから椅子をマットに置いて、そこにバタフライ・エフェクト(ダブル・アーム・DDT)を決める!デュークは鬼塚をフォールし、勝利。デュークが新王者となる!!

シングルマッチ エリック vs ジ・エンターテイナー

試合・抗争の経緯

モテ男エリックと偏屈社会派のエンターテイナー。以前から因縁のあった両者はトーナメントの1回戦でぶつかることになった。エンターテイナーは因縁の相手であるエリックを倒した上で優勝をするとアピールし、いつも以上に気合いが入っていた。

試合はエンターテイナーが果敢に攻めるが、最終的にエリック"お得意のテクニック"に翻弄され、初戦敗退となった。試合後、エンターテイナーは気合いが空回りし、エリックに敗れたことで半泣きでバックステージへと消えていった。その後のインタビューでは烈火の如くキレていた。

一方、エンターテイナーを破ったエリックはトーナメントに集中し、決勝戦に進出。

勝戦の終盤、エリックはシャックスに得意技のシャックス・ドライバー(ノーザンライト・ボム)を決められそうになるが、持ち上げられた瞬間、カウンターで必殺技のシンボル・カッターを決める。グロッキーのシャックスを前に、エリックは大一番の必殺技のジェット・スプラッシュ(フロッグ・スプラッシュ)を出す為にコーナーに上がる。だがそこに突如、エンターテイナーが乱入してくる。エンターテイナーはリングサイドをうろついて手出しはしなかったが、エリックは警戒して技を出せない。その隙に復活したシャックスがトップロープに寄りかかり、ロープの揺れによって体勢を崩したエリックは支柱とターンバックルの間に股間を打ち付ける。エリックはコーナーからシャックスに引っ張られ、シャックス・ドライバーから続け様の、必殺技のSDM-スパークリング・デビルズ・サモン-(シャイニング・ウィザード)を食らい、3カウント取られて敗北。エリックは惜しくも優勝者を逃した。

PPV明けのBRAVEにて、エリックはリング上でエンターテイナーへの怒りを表明。それを受けたエンターテイナーはエリックの元にやって来る。

エンターテイナー「俺様はフェイス、スタイル、ボイス全て整ってる男だ。それに最も過小評価されてる男でもある。エリック、俺様はお前よりも優れてる。だが、だいたいいつも評価されるのはお前のようなヤツだ。そう、お前は強者の論理の体現者なんだ。なんでも独り占めする。スポットライトだけじゃない、お前はモテ男だ。その弊害で俺様たちがまるで無能のように映る。お前みたいなヤツは男のロールモデル面をするな。そしてお前に告ぐ、独占禁止法だ。それに伴い、お前を処罰し、夢の舞台インフェニティ・ポッシブルで去勢してやる。」

エリック「俺のモノはそんな簡単に折れないぜ。それに俺が独占?いやそれはお前たちに魅力がないんだろ?」

エンターテイナー「でたぞ!!これぞまさに強者のレトリック!!悪いのは全部、努力が足らない、自己責任だ!!そうすれば、責任転嫁できるもんな?」

エリック「お前はいつもよく分からない因縁をつける。なぜ、俺の邪魔をしたんだ?お前のそのロジックで俺にも、みんなにも納得のいく説明をしてくれよ。」

エンターテイナー「確かにあの時、お前は俺様に勝った。それは厳然だる事実だ。覆りようがない。しかし、このままお前を優勝させるわけにはいかった。」

エリック「なぜだ?」

エンターテイナー「この文明社会的に良くないからだ。」

エリック「は!?」

エンターテイナー「お前は強者の権化だ。このままお前が優勝して、さらにスポットライトを浴びることになると格差の助長に繋がる。」

エリック「はっきり言えよ、俺に負けたのが悔しって。素直じゃないヤツはモテないぞ。」

エンターテイナー「それは短絡的な発想だ。いいか、お前みたいなヤツは人生において反則を犯して生きてきた。だがそのくせにチヤホヤされている。それを見る度に、いかにルールを厳守することがバカらしく思える。ルールを厳守してるのは普通。でも、ルールを破るのは立派なステータスだと?反吐が出るぜ。俺様たちはそれを眺めている人生なのか?いや、俺様はチルドレン(自分のファンの名称)に誓った。お前を潰すことで、こんなクソみたいで最悪な、しかも目立ちたがり屋で利己的なものが跋扈する社会を変えるきっかけになると。そのためならば、俺様は手段を選ばない。そう、お前に倣ってルールを破り、罰を与えたんだ。それからお前は夢の舞台で俺様に断罪され、自分の人生をやっと省みることになるのだ。」

エリック「そんなのはただの負け犬の遠吠えだ。」

エンターテイナー「お前に良いことを教えてやる。世の中は勝ち犬よりも負け犬の方が多いんだ。あまり負け犬達を敵に回さん方ががいいぞ。」

エリック「俺にはそんなこと関係ねぇ。ただひたすら、勝ち犬になるだけさ。」

エンターテイナー「それが思いやりの無さだ。お前の罪だ。大罪だ。だからこそ、夢の舞台で俺様達はお前を断罪する。覚悟しろ。」

エリック「むしろ、お前の方が俺に断罪されるぜ。贖罪の準備でもしとけよ。」

試合の結果

エンターテイナーが先に入場し、エリックは後から、美女2人連れて入場してくる。それをリングサイドで見ていたエンターテイナーは指差しながら、実況に向かって何やらブツブツと文句を言っている。

試合開始、エンターテイナーはエリックの"テクニック"を警戒しながらの立ち上がり。しかし、エリックは捻りを加えたエンズイギリを放つなど、テクニックだけはではないことをアピール。それに負けじと、エンターテイナーはパンチやエルボーの打撃で応戦。中盤、エリックはエンターテイナーの隙をついてスクール・ボーイで丸め込み、テクニックを炸裂させる。しかし、エンターテイナーは2で返すと、即座にエリックの背後から左の膝裏に向かってエルボー気味のチョップ・ブロック!!足へのピンポイントの技のため、尾を引く攻撃である。それから、エンターテイナーはエリックの左足にエルボーを放ち、さらに左足を掴んで、レッグ・スラムで叩きつける!!エンターテイナーはエリックの左足を徹底的に痛めつけてから、満を持しての得意技のフィギュア・4・レッグロック!!だが、エリックは苦痛と戦いながらなんとか裏返し、逆にエンターテイナーが悶絶することに!!エンターテイナーはたまらず、技を解く。それでもエリックの方がダメージが大きかった。エリックは反撃を試みるが、エンターテイナーは即座に痛めた左足にキックを食らわせ、怯ませる。それから、オリジナルの得意技のダブルアーム・ガットブレイカーを炸裂させる!!しかし、カウントは2!!

終盤、エンターテイナーは得意技の変形ネックブリーカー(相手の片腕を首に絡めた上でのネックブリーカー)をかけようとするが、エリックは片手で突き飛ばし、回避する。だが、勢い余ってエンターテイナーはレフェリーとぶつかり、レフェリーは倒れてしまう。その隙をついて、エリックはエンターテイナーにローブロー!観客からは大歓声!!逆にエンターテイナーが去勢されることに!!股間を抑えるエンターテイナーをエリックがスモール・パッケージで丸め込む!!レフェリーはなんとか立ち上がり、少し遅れながらもカウントをするが、エンターテイナーはなんとかギリギリ2で返す!!エリックは足を痛めているため、エンターテイナーの方が先に起き上がり、エリックの後頭部に向かってアックス・ボンバー!!エンターテイナーはエリックが起き上がるのを待ち構える。そして、必殺技のフェイス・チェック(フェイスバスター)を放とうとエリックに向かって走るが、カウンターのシンボル・カットを食らう!そのまま、エリックはコーナーに登り、ジェット・スプラッシュを決め、フォール、エリックの勝利!!

・タッグマッチ タッグマッチ 三井マキ&青柳紗衣 vs リサ&ジュディ・テイラー

試合・抗争の経緯

青柳は元グラドルでつい最近プロレスデビューしたばかりで、タッグパートナーの三井も元アイドルとして活動していた過去があった。また、三井はプロレスデビュー以降、スズキ・ルイのタッグパートナーとして活躍していた。しかし、悪女リサが青柳と三井の過去の活動に対して、批判するプロモをリング上で行う。

リサ「なんか、元グラドルと元アイドルが堂々とここにいるけど、ぶっちゃけ過去の活動とかまったく知らないんだけどー!!ってか、誰も知らないでしょ!!ちょっと、検索してみる。」

(スマホで検索して)

リサ「私でもできるわよ!!あんな2人よりも私の方がよっぽど華があるからね!!それに私の方が遥かにセクシーだし。」

それを受けた青柳と三井が反応、リサの入るリングにやってくる。

リサ「ちょっと、ちょっと、やってきたよ。」

三井「おい、バカにすんなよ!!本気じゃなきゃ、この場にいねぇっつうの!!」

リサ「なんかムカつくのよ。"私たち真剣にやってまーす"ってアピールが。(急に語気を荒げて)あざてぇーんだよ!!

青柳はリサにビンタし、乱闘になる。三井は青柳とリサの間に入って仲裁。しかし、そこにリサと友好関係にあるジュディがやってきて、青柳に強烈なビンタで張り倒す。それを見た三井はジュディを睨みつけるが、背後からリサが三井にエルボーを食らわす。

ジュディは「ぶりっ子は消えな!!」と捨て台詞を吐いて、リサと共にリングを後にする。

青柳と三井、リサとジュディの抗争が始まった。

試合の結果

混戦の最中、リサはマキに必殺技のリサ・ブレイカー(スインギング・ネックブリーカー)を決める。技を食らったマキは転がるようにリングアウトして場外でダウン。青柳は孤立することになる。リサとジュディは紗衣にツープラトンスープレックス!対戦権のあるジュディがカバーするが、カウントは2!!そして、ジュディと青柳の一騎打ちとなるが、経験の勝るジュディが圧倒、ビンタをするなど挑発する。ジュディは遊びは終わりとばかりに必殺技のスリル・ドロップ(ケルティック・クロス)をかけよくとするが、マキがなんとか復活し、リング外でリサは応戦しようと待ち構えるが、マキは必殺技のハイマキック(ハイキック)を決める。ジュディは青柳を持ち上げたまま、そっちに注意が入ってしまい、青柳がその隙をついて回転十字固めを決め、3カウント、逆転勝利!!

・DESTINYスター王座戦 ラダーマッチ シャドー・イーグル(c) vs フライ・キッド

試合・抗争の経緯

トーナメント2回戦で両者はぶつかった。キッドはスター王者イーグルを破り、準決勝に進出。惜しくも敗れたが、スター王者を破ったことで、その実力は健在だとファンにアピールした。一方、イーグルはスター王者としてDESTINY王座を獲得するという、つまり史上初の2冠王者を狙っていたが、そのチャンスをキッドに阻まれた。基本的にスター王座を保持する選手はDESTINY王座に挑戦することはない。そのため、トーナメントは現状、2冠王者への唯一のチャンスであった。

キッドはトーナメントでイーグルを破ったということからスター王座挑戦に意欲を示し、イーグルは2冠王者のチャンスを阻んだキッドへのリベンジということで、両者はインフェニティ・ポッシブルにてスター王座戦で戦うことが決定した。

直前のBRAVEにて、スター王座戦の試合形式についてイーグルはラダー・マッチ(天井からワイヤーで吊るされたベルトをハシゴに登り、取ったら勝ち)で行うことを提案。キッドはそれを受託し、スター王座戦はラダー・マッチで行うことが決定する。

試合の結果

反則なしのルールなのでラダー、椅子を凶器として使用。それだけでなく、テーブルまで持ち出すという実質、TLC(Tables、Ladders、Chairsの略)戦となった。

またラダーマッチという性質上、一方がベルトを目指してラダーを登れば、もう一方が阻止にかかるため、一進一退の攻防が繰り広げられた。イーグルは必殺技のタイガー・ボムをキッドに決める!そのままラダーに上るが、ベルトに目もくれず、ダイビング・スワントーンを決める!!会場は大盛り上がり。その後、形勢逆転をしたキッドは必殺技のカナディアン・ネックブリーカーをイーグルに決め、お返しとばかりにラダーに登って、ダイビング・ボディプレスを敢行!!また会場は大盛り上がり!!キッドはボロボロの身体でベルトを目指してラダーを登る。やっとベルトに手が届く位置まで到達したが、イーグルも逆側から登ってくる。お互い、ラダーの上で殴り合う。乱打戦を制したのはイーグルで、ラダーにもたれ掛かるキッドにエルボーを決めようとするが、頭を下げてかわされる。キッドはイーグルの隙をついてパンチを食らわし、そのまま頭を掴んで天板にぶつける。キッドは怯んだイーグルを片手で払い落とし、イーグルはそのままラダーの隣に立てかけてあったテーブルに落下、テーブルは真っ二つに!キッドはベルトを獲得、新スター王者となる!

・DESTINY女子王座戦 宝生ダリア(c) vs スズキ・ルイ

試合・抗争の経緯

DESTINY女子"絶対王者"のダリアと、DESTINY女子の象徴のルイ。言い換えるなら、実力のダリアと人気のルイ。だからこそ、両者は相容れぬ関係である。これまでダリアはDESTINY女子王座を何度も防衛し、その防衛ロードの過程でルイを退いてきた。ルイは悔しい思いをしたものの、森奈イヴとコラボするなどし、DESTINY女子の戦いを盛り上げた功労者である。その2人がついにインフェニティ・ポッシブルの舞台で戦うということは、この2人の抗争に一旦区切りがつくというファンの見方があり、非常に注目された。

試合の結果

スズキ・ルイの入場曲「明日へのレッスル」を森奈イヴが会場で唄う!

試合開始のコングが鳴り、お互い睨み合う。ルイはいきなり、先手のエルボースマッシュ!!ダリアも同じくエルボースマッシュで応戦。エルボー合戦で幕を開けた。それからルイは渾身のジャーマン・スープレックス・ホールドをダリアに決める!!しかし、カウントは2!!負けじとダリアもジャーマン・スープレックス・ホールド!!ルイは意地でカウント2で返す!

中盤、ダリアはルイに得意技のチキン・ウイング・フェイス・ロック。しばらく、ダリアに技をかけ続けられるルイだが、なんとか膝をついて起き上がる。それでもダリアは技を解かない。ルイはダリアを背負う形で背後からコーナーに向かい、ダリアをターンバックにぶつける。ダリアは技を解いてターンバックルにもたれ掛かる。ルイはひと呼吸おいた後、ダリアにエルボースマッシュを連発して、ダリアをコーナーから片手でどかし、コーナーに上がってダイビング・クロスボディ!!ダリアはなんと、そのままキャッチして強烈なボディスラム!!ダリアにスイッチが入ったのか、雄叫びを上げて逆にコーナーに上がる。そして大一番の技ムーンサルト・プレスを解禁!!そのままカバー!!ルイはカウント2で返す!!ダリアは信じられないという表情!

終盤、ルイは必殺技のタイガー・スープレックスをかけようとするが、ダリアは体勢を素早く入れ替えて必殺技のフィッシャーマン・ドライバー!!そのままカバーし、勝利!ダリアは王座防衛!!ルイは泣きながらリングを後にする。

・ノーDQマッチ ザ・フィニッシャー vs ニック・リーガン

試合・抗争の経緯

あの事件で負ったケガから復帰し、これからというフィニッシャーと、破竹の勢いで連勝街道を進むリーガンがついにトーナメントの1回戦で顔を合わせることになった。両者とも優勝候補とされているだけに注目の一戦となっていたが、結果は両者リングアウトでのドローとなった。序盤は両者壮絶な殴り合いで観客も熱狂。フィニッシャーは元総合選手のリーガン相手に一歩も引かないファイトを見せたが、要所要所でリーガンの攻めが効いており、どちらかと言えばリーガン優勢の試合ではあった。

終盤、フィニッシャーが反撃のクローズラインを放つも、リーガンは耐える。フィニッシャーは続け様にクローズラインを連発し、ロープにもたれかかって耐えていたリーガンと共にリングサイドへと落ちる。レフェリーがカウントをはじめる中、両者は立ち上がり殴り合う。フィニッシャーのパンチをかわしたリーガンは背後に回って、ジャーマンの体勢になる。しかし、フィニッシャーは手を掴んで抵抗し、エルボーを放つ。その瞬間、フィニッシャーは怯んだリーガンから距離をとって、カウンターのスーパーキックを放つ。だが体力の消耗が激しく、フィニッシャーはその場に倒れ込む。その間にもレフェリーのカウントは続く。フィニッシャーはなんとか立ち上がって、リーガンが起き上がるのを待ち構える。フラつきながらも起き上がったリーガンにフィニッシャーは渾身のスピアーを決める!!両者ともその場でダウン、ついにレフェリーは10カウントを数え、両者リングアウトとなった。

連勝街道を進んでいたリーガンであったが、ここでついに引き分けとなり、その勢いに休止がついた。だがそれと同時にフィニッシャーはDESTINYでリーガンと引き分けた唯一の存在となったが、その代償は初戦敗退という、非常に重いものだった。

優勝候補が共に初戦敗退となるという波乱な展開となったドリーム・ロード・トーナメント。しかし、両者はこのままテーマなき大舞台インフェニティ・ポッシブルを迎えるのかと憂慮されたが、それは杞憂に終わった。その先陣を切ったのはリーガンだった。

ドリーム・ロード明けのBRAVEでマイクパフォーマンスを行う。

リーガン「俺はここに来てから、さまざまなヤツらをブチのめしてきた。俺に敵うヤツなんて誰もいやしねぇ。だが、ついこの前に俺と戦ってブチのめされながらもなんとか逃れられたヤツがいる。そいつはあくまでルールに助けられたにすぎねぇ。ここでハッキリさせてやる。DESTINYはフェイクだ(この発言は物議を醸し、フェイク発言事件と呼ばれる)。俺こそがホンモノだ。リアルなんだ。俺は世界中にDESTINYがフェイクだと暴いてきたんだ。そもそもヤツは前にケンカを仕掛けられて何も出来ず、ぶちのめされた野郎だ。そんなヤツにこの団体を引っ張っていく資格はあんのか?俺だったら、いつケンカを仕掛けられても返り討ちにしてやるぞ!おい、みんな気づいてんだろ?この団体を引っ張って行くべき人間はニセモノじゃない、ホンモノである俺だということを。」

そこにフィニッシャーがやって来る。

フィニッシャー「おい、不用意な発言はやめた方がいい。いいか、俺たちはフェイクじゃない。フェイクのために命を賭けているヤツはここにはいない!いくらお前が凄いヤツでもその言葉は聞き捨てならん!!正直言えば、俺はお前を認めていた。お前の積み上げてきた功績はお前がどんな人間であろうと覆せないものだ。だが、お前はここにいながらここが気に入らないのか?だったら、この俺が代表してお前を潰すぞ!」

リーガン「待て待て。お前は前にケンカに負けたヤツだろ?そんなヤツが偉そうに言っても説得力はない。」

フィニッシャー「じゃあ、俺とやりたくないのか?どうやらお前からすれば、俺はルールで逃れられたヤツらしい。おい、お前は俺と決着をつけたいんだろ?どうなんだ?」

リーガン「そうだ。今度は俺から逃れられないぞ。ルールはノーDQでどうだ?前のようにリングアウトもない、反則もない。ホンモノのケンカだ。ボコボコにやり合うだけだ。」

フィニッシャー「分かった。それで行こう。だが、覚悟しろよ。お前がいくら勢いに乗っていようが、この一戦で負けたら、その勢いは一気に失うことになるぞ!!ビビるなよ!!」

突如、リーガンはタックルを決め、パウンドを浴びせようとするが、フィニッシャーはガード。なんとか逃れたフィニッシャーはリーガンに殴りかかり、両者掴み合いとなる。そこにレフェリー達や大勢のレスラーが止めに来る。両者は一旦、引き離されるが、隙を見てレフェリー、レスラー達をかき分けてながら突進し、殴り合いからの掴み合いとなる。再度、引き離されたリーガンはその場を後にする。フィニッシャーは囲まれながら、コーナーにもたれかかり、昂る感情を抑えていた。

試合の結果

入場の際、リーガンは"リアル・ファイター ニック・リーガン"とコールされる。

ノーDQマッチながら、お互いに凶器を使用せず、激しい肉弾戦となった。ゴングと同時にリーガンはタックルを決め、パウンドを狙うがフィニッシャーはカードしながらなんとか逃れる。そしてお互いに殴り合う。しかし、打撃に関してはリーガンの方が上手(うわて)である。リーガンは腕ひしぎ逆十字、キムラロックなどの"実戦系"の関節技を積極的に狙ってくるが、ロープブレイクがないため、フィニッシャーは全力で回避する。場外乱闘になると、リーガンはベリー・トゥ・ベリーやジャーマンで投げる。フィニッシャーも負けじと、同じ技で投げる。リーガンはフィニッシャーを抱え、実況席に向かってオクラホマ・スタンピートを敢行!実況席は破壊される。リーガンはフィニッシャーをリングに戻そうとするが、電光石火のスーパーキックを食らう!形勢逆転をしたフィニッシャーは防護壁にもたれ掛かるリーガンに向かってスピアー!その衝撃で破壊される防護壁!!終盤、両者はリングで戦い、フィニッシャーはリーガンにDDT!カバーをしようとするフィニッシャーだが、突如リーガンは必殺技の三角絞めを決める!!しかし、フィニッシャーはその体勢のまま持ち上げて、パワーボム!それでもリーガンは離さないため、フィニッシャーは2度目のパワーボム!!リーガンはついに技を解くが、フィニッシャーも体力を消耗しており、お互いにダウン。先に起き上がったフィニッシャーは必殺技のフィニッシャー・バスターを狙うため、リーガンが起き上がるのを待ち構える。起き上がったリーガンにフィニッシャーはバスターの体勢に入るが、リーガンはエルボーでブロック。そしてリーガンは必殺技のパワーボム(リーガンのパワーボムは相手の内股から腕を絡ませて、一気に持ち上げるタイプのモーション)でフィニッシャーは持ち上げるが、その瞬間、フィニッシャーはカウンターのギロチン・チョーク!リーガンの腰に両足を挟んで、そのまま全力で締め上げる。リーガンは膝をつき、徐々に力を失って失神!フィニッシャーの失神KO勝ち!!

・メインイベント DESTINY王座戦 ファルコン(c) vs シャックス

抗争・試合の経緯

元DESTINY王者でありながら、トーナメントではフィニッシャーとリーガンが優勝候補とされ、実力者ながらあまり期待されていないシャックスであったが、蓋を開けてみれば優勝者はシャックスだった。本来ならばトーナメントの並び上、優勝候補の2人のどちらかと2回戦で当たる予定であったものの、その2人がリングアウトで初戦敗退したことにより、不戦勝で準決勝に進出。決勝戦はエリックに対するエンターテイナーの妨害もあって勝利。運が続いたシャックスにファンからは棚ぼた優勝と揶揄されたものの、前述の通り初戦の相手ポセイドンと、準決勝の相手ウェイストランド・キングをクリーンファイトで破っている。また、シャックスはファルコン戦に向けて新技デビルズ・ショット(コンプリート・ショット)をBRAVEの試合で披露していた。

一方、DESTINY王者のファルコンはPPVのドリーム・ロードで挑戦者ブレイン・ジャックを破り、その勢いは止まることを知らなかった。前述の通り、ファルコンとシャックスは以前に因縁があり、お互いの手を知り尽くしている部分もあるが、元々ファイト・スタイルも似ているため、インフェニティ・ポッシブルの両者の一戦は好勝負が期待された。

試合の結果

破壊された実況席、防護壁という前戦の荒々しい試合の傷跡を残す中、両者は睨み合い、ロックアップから幕を開ける。ファルコンはシャックスにヘッドロックをかけるが、シャックスはそのままロープに引き寄せてブレイク。ファルコンはロックを解き、レフェリーに向かって両手を上げてクリーンブレイクとアピールするが、シャックスはビンタして挑発。だが、ファルコンはその挑発には乗らなかった。ファルコンは向かってきたシャックスにアーム・ドラッグから続け様のシングルレッグ・ドロップキック!シャックスが起き上がった瞬間にも連続で放つ。シャックスは技を受けると共に転がりながら、リングからエスケープ。リングサイドを歩き、ファルコンの様子を伺う。ファルコンもリングから降りてシャックスを追いかけるが、シャックスが先にリングイン。そして、後からリングインしてきたファルコンにドロップキック!起き上がったファルコンをロープに振って、ティルトワール(風車式)・バックブリーカー!シャックスはカバーするが、カウント2。そのままシャックスはファルコンにグラウンド・ヘッドロック。ファルコンは膝をつきながら少しずつ立ち上がり、シャックスのみぞおち付近にエルボー連打。ついに技を解くが、シャックスはすぐさま引き戻して、ノーザンライト・スープレックス!!シャックスはブリッジしてフォール。ファルコンはカウントは2で返す。その体勢のまま、ファルコンはシャックスの両手を掴む。肩がついたままなのでその間もカウントを取られるが、カウント2で上体と共にシャックスを起こし、そのままシャックスと共に身体を一回転させつつ、腕をシャックスの両肩に回してバックスライドでフォール。だがカウントは2。シャックスを立ち上がらせて、ヨーロピアン・アッパーカットを2連発。シャックスを得意技のファルコン・アローで持ち上げるが、シャックスは背後に着地。シャックスはファルコンをそのポジションのままロープまで押し込み、オコーナー・ロール!ファルコンはシャックスを跳ね飛ばすようにカウント2でカバーを返す。両者は距離を取る形となり、シャックスは走りながらクローズラインをするがファルコンはかわし、そのままロープに向かって走り、シャックスにリバウンドのフライング・クローズラインを食らわす!

中盤、ファルコンはローキックでシャックスに片膝をつかせてエンズイギリ。ファルコンはトップロープを両手で掴んで、ジャンプしながらエプロンサイドに着地、そのままコーナーに上がり、ダウンしているシャックスが起き上がるのを待つ。そして、起き上がったシャックスにローリング・セントーンを放つが、かわされ自爆。シャックスはファルコンを起き上がらせ、シャックス・ドライバーを狙い、ファルコンを垂直に持ち上げるが、ファルコンは片膝でシャックスの頭を蹴る。シャックスは怯み、そのまま着地するファルコン。そして、ファルコンは必殺ファルコン・クラッシュ(コード・ブリーカー)を炸裂させる!そのままシャックスをカバーするが、カウント2!!

終盤、ファルコンはムタロックでシャックスを苦しめる。しかし、シャックスはギブアップせず、なんとか這ってロープブレイク。ファルコンはシャックスにスナップDDTを仕掛けようとするが、かわされ、スクール・ボーイで丸め込まれるが、カウント2!シャックスはファルコンが起き上がろうとした瞬間に胸めがけてキックを3連発!そして、ふらふらになったファルコンをコーナーに振る。シャックスはコーナーにもたれ掛かったファルコン目掛けてランニング・エルボースマッシュ!怯んだファルコンをコーナーに上がらせ、そこからスーパー・ハリケーンラナを敢行!!シャックスはカバー!しかし、カウント2!!シャックスはファルコンが起き上がるのを待ち構え、ハイキック!!だが、ファルコンはかわしてカウンターのファルコン・クラッシュ!カバーするが、またしてもカウントは2!!ファルコンは再度、ファルコン・クラッシュを敢行するが、シャックスはその体勢のままキャッチ。ファルコンを両膝ごと抱えた状態のため、一旦、足を下ろさせる。しかし、それは新技デビルズ・ショットの体勢。ファルコンは勘づいてシャックスの頭にエルボーをヒットさせブロック。ファルコンはファルコン・アローを狙うが、シャックスはまた背後に着地、そのポジションのままロープに押し込んで2度目のオコーナー・ロールを狙うと思われたがフォールせず、そのまま距離を取って待ち構える。振り返ったファルコンにシャックスはランニング・デビルズ・ショット!!さらに続け様のSDMを決める!!シャックスはファルコンをカバーし、カウント3。シャックスの勝利、新DESTINY王者となる。

架空プロレス団体DESTINYについて

f:id:defensedragoncreation:20220903193424j:image現在、人気絶頂のプロレス団体DESTINY。DESTINYとはユニバーサル・チャンピオンシップ・レスリングの略である。

団体の特徴

超自然的な世界観と選手同士のリアルな抗争が同居したストーリーラインが展開され、基本的に所属するレスラーはベビー(善玉)とヒール(悪役)の立ち位置に分かれている。だがそのどちらでもないものも存在する。

そんなDESTINYを代表するストーリーは、かつて繰り広げられた、ベビーを代表する"光の戦士"ハーキュリーズ(現在は退団)とヒールを代表する"悪魔軍団"デビルズ・ゲート(メンバーはシャックス、ボティス、シャドー・イーグルで現在は自然消滅)による、善と悪の戦いがテーマの超自然的スケールの抗争である。しかし、このようなに超自然的世界観を担うレスラーには非現実なキャラ付けがされたり、試合よりもストーリーラインを重視する事もあるため、批判の対象になることもある。

興行は毎週放送の番組BRAVEと月1回(年12回)のPPVという形で行われている。

f:id:defensedragoncreation:20220615142007j:imageストーリーの大まかな流れは抗争や前哨戦が4週にわたりBRAVEで放送され、その月の最後にPPVを開催、抗争の決着や一区切りをつける。もちろん、抗争が継続する場合もある。

定期的に話題を呼ぶのも特徴の一つである。特に元総合格闘家のニック・リーガンの入団と、シンガソングライター森奈イヴがスズキ・ルイの入場曲「明日へのレッスル」を制作し、大きな話題となった。

また森奈イヴは入場曲制作を機にスズキ・ルイのセコンドとして参戦。それは一時的な話題にとどまらず、スズキ・ルイと黎明期から所属する宝生ダリアを軸にDESTINY女子部門を盛り上げ、それからDESTINYの知名度の向上にも貢献、団体の急成長へと繋がった。

タイトル

DESTINY4大タイトル

・DESTINY王座

最高王座で主にPPVのメイン戦を飾る。この王座を持つ者がDESTINYの主役とも言える。

・DESTINYスター王座

DESTINY王座に次ぐベルトで、若手や実力者が熱い戦いを繰り広げる。

・DESTINYタッグ王座

DESTINY王座の次に創設されたベルトで、タッグチームの強豪がしのぎを削る。

・DESTINY女子王座

4大タイトルの中では最も新しく創設された。しかし、前述の森奈イヴの話題やスズキ・ルイと宝生ダリア達の激闘により、女子部門は今までの以上の盛り上がりを見せ、DESTINYの大きな魅力の一つとなっている。

非公認タイトル

・DESTINY"非公認"アンダードッグ王座

アンダードッグ王座の誕生

アンダードッグ王座はそもそもアンダードッグ鬼塚が勝手に持ち込んだものである。

鬼塚はDESTINYの黎明期にフリーの選手として参戦し、その後、ハーキュリーズを主役とする路線となってから不参加となっていたが、去年に電撃所属(その路線について雑誌等のインタビューで批判していた)。鬼塚はDESTINYに新風を吹かすとして、かつて自身が所属していたデスマッチを中心するインディー団体(現在は崩壊)のチャンピオンベルトを引っ提げ、勝手に"アンダードッグ王座"と制定し、王座戦を行った。しかし、団体はアンダードッグ王座を認定せず、非公認とした。とはいえ、あくまで黙認状態であり、鬼塚は王座陥落したり、返り咲いたりと主にアンダードッグ王座戦線で活躍している。その盛り上がりは別格なもので、非公認という扱いがDESTINYと鬼塚の対立構造、つまり鬼塚の反逆精神を象徴しており、逆に鬼塚に対してのリスペクトになっている。鬼塚のバックボーンはデスマッチであるが、団体は非公認王座であることとデスマッチは基本的に行なわない方針のため、かつてのような激しい試合形式を再現することはできないが、その名残として王座戦はノーDQマッチか、フォールズ・カウント・エニウェアマッチ(反則なし、どこでもフォール可能)で行われる。

この王座は鬼塚が強引に持ち込んだものの、いつの間にかに定着し、DESTINYに新風を吹かせることに成功。そんな鬼塚に対し、熱狂的なファンからはハーキュリーズ12の功業に匹敵する功績と称えられている。

PPV

・1月 スターライト・リング

・2月 ドリーム・ロード

・3月 インフェニティ・ポッシブル

・4月 センセーショナル・ストーム

・5月 ソウル・インパク

・6月 ザ・ダーク

・7月 アンリミテッド

・8月 シャドー・オブ・ザ・サンシャイン

・9月 デュエル

・10月 マッドネス

・11月 ビートダウン

・12月 デッド・エンド

前述の通り、PPVは基本的に抗争の決着が行われるのだが、特筆すべき点のあるPPVが2つ存在する。それは2月開催のドリーム・ロードと3月開催のインフェニティ・ポッシブルである。

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2月に16人参加のドリーム・ロード・トーナメントが開催され、4週にわたり、トーナメントの1、2回戦がBRAVEで、準決勝、決勝戦がPPVドリーム・ロードで行われる。

トーナメント優勝者はインフェニティ・ポッシブルのメインイベントにて、DESTINY王座に挑戦する権利が与えられる。そのため、DESTINY王者とNo. 1コンテンダーはトーナメントに出場しない(スター王者、タッグ王者は出場できる)。

このトーナメントにはもう一つの側面が存在する。普段接点の無い者同士がトーナメントでぶつかったことにより新たな抗争が生じたり、逆に因縁のある者同士の抗争の再燃のきっかけとなったりする。またトーナメントの中でスター王座を破った者が、その後スター王座挑戦に名乗り上げることもある。インフェニティ・ポッシブル、メイン戦でのDESTINY王座挑戦権を巡って熾烈な戦いが繰り広げられる中、様々なドラマが展開されるのだ。

インフェニティ・ポッシブルはDESTINY最大のPPVであり、そのメイン戦に出場することはDESTINY最大の栄誉とされている。インフェニティ・ポッシブルは規模が最大なだけでなく、その1年間のストーリーの集大成であり、区切りでもある。そこからまた新たな1年がはじまり、4月開催のセンサーショナル・ストーム〜来年開催のインフェニティ・ポッシブルへと向かって行くサイクルとなっている。そのため、インフェニティ・ポッシブル明けのBRAVEは新年度第1回という意味合いが強く、注目されている。

ハーキュリーズとPPVの関係性

ハーキュリーズはPPVとの関係性が非常に強い。ハーキュリーズの人気によってDESTINYは業績を上げていき、それによってPPVを年12回のサイクルで開催できるようになったのである。この功績は神話の英雄ヘラクレスに因んで、ハーキュリーズ12の功業と呼ばれている。

それだけでなく、ドリーム・ロード・トーナメントはかつてハーキュリーズが優勝し、初代DESTINY王者となったDESTINY王座決定戦トーナメントを基にしている。

ハーキュリーズはPPVにあのサイクルをもたらした3年後、8月開催のシャドー・オブ・ザ・サンシャインでハーキュリーズ・シュート事件を起こし、団体を去ったのである。

日本での放送

日本では深夜に放送されており、内容はダイジェスト版で30分番組となっている。

日本語実況

実況・・・木村克也

解説・・・宮原五郎(ライター)

動画配信サイトではフル版で視聴可能で、動画投稿サイトでは公式チャンネルで定期的に試合などの動画が投稿されている。 

【参考記事】

タツ・マモルのプロレスコラム 第1回 英雄ハーキュリーズの興亡史

f:id:defensedragoncreation:20220702035716j:image

かつて、DESTINYに栄光をもたらしたひとりの英雄がいた。彼は団体の中で最も輝ける存在で、ファンだけでなく、団体の関係者すら魅了した。でもその輝きはまるで流星のような儚さであった・・・。

第1回、このプロレスコラムではDESTINYの伝説のスーパースター、ハーキュリーズの興亡について語りたい。ハーキュリーズといえばDESTINYに"ハーキュリーズ12の功業"という最も輝かしい栄光と発展をもたらしたマスクマンであり、英雄であるが、それはあくまで光の部分にすぎない。彼のキャリアの最期はあのハーキュリーズ・シュート事件という団体最大の闇をもたらして、この業界から去っていった。

ハーキュリーズ・シュート事件とは真夏のPPV(特番)シャドー・オブ・ザ・サンシャインのハーキュリーズVSザ・フィニッシャー戦で起きた。

f:id:defensedragoncreation:20220702014329j:image事件の起きたPPV

この一戦は新旧スター対決とかなり期待されただけに、その後味の悪さがすさまじい。この事件に関しては数々の考察や憶測が存在するが、今まで関係者が口を開くことはなかった。

しかし今回、元団体関係者のX氏が名前とかつての団体での具体的な役割について明かさないことを条件に協力してくれた。その件について関係者が口を開くのはこのコラムが初という、なんとも複雑な役割を担うことになり、誠に恐縮である。X氏はそれ以外のことについても詳しく事実を証言してくれており、その貴重な証言によって、このコラムは想定していた以上のボリュームとなった。本当にX氏には感謝してもしきれない。

また、X氏が協力をしてくれたのはある思いがあったからである。

X氏「まぁ、なんというかさ、この件については怒りというよりかはショックだったよね。まさかっていう・・・。魔が差したっていうのかな。でもさ、彼が何も語らずにこの業界から去っちゃったから、彼の代わりじゃないけど、誰かが話さなきゃっていう、変な使命感的なものがあってね。それに誰も語らないからこそ、変な憶測が出てくるじゃない?まぁ、憶測ってのは真実が明らかになっていないからこそ、出てくるものであって・・・。ある意味、今回証言するのは彼の為でもあるんだよね。良くも悪くも彼についての話をすることで、ファンに判断してもらいたいという・・・。」

DESTINY前史と英雄の誕生

DESTINYと聞けば、PPVを月1で開催(年12回)し、数々のスター選手を抱える人気絶頂のプロレス団体である。その勢いは止まることを知らず、最近では総合格闘技からプロレス転向を発表したニック・リーガンがデビューし、話題を呼んだ。リーガンはそもそも総合格闘技の実力者で、ファンからの支持も根強い。そんな彼がプロレスデビューの場にDESTINYに選んだということは、団体のブランド力を窺い知ることができるだろう。

今でこそDESTINYは大規模かつ力のある団体となっているが、立ち上げ当初は決してそうではなかった。その存在は一部のファンのみが知る程度であり、現在のような独自性すら感じられなかった。そして、X氏は団体の黎明期の事情から証言してくれた。

X氏「立ち上げ当初はとりあえず立ち上がったけど・・・、みたいな感じで、今と比べものにならなかったよ。しかも興行もそんなにできなかったし、団体のコンセプトも無いに等しかった。当時はフリーの選手にスポット参戦してもらって、そこでなんとかもってた。でも軌道に乗せるには団体のコンセプトが必要だぞってなって。まぁ、プロレスってのは不思議なもんで、魔界とか暗黒がどうのこうのとか、割と超自然的なものが受け入れられてる笑じゃあ、うちはそういうのをピンポイントでやるんじゃなくて、その風呂敷を広げようって。しかも、それだけじゃなくて、等身大のレスラー同士の抗争もあったりとか、いろんな団体の良いところを詰め合わせていこうってなった。」

そこから現在に繋がる路線を決め、団体はその役割を担う人材探しに奔走する。そして、ある新人との出会いがDESTINYの"運命"を変えた。

X氏「ある時、凄い新人のスカウトに成功した。彼を見るなり、これは将来的に大スターになるだろうってね。だから彼に役割を与えてスターにして行こうって。とにかくウチからスターを出したかった。団体の色を体現するスターをね。その彼は体格、身体能力も素晴らしく、しかも肝も据わっていた。そう、スターに必要な資質を兼ね備えていたよ。」

その新人は寡黙で自分を主張するというよりも、技術で魅せる職人気質のタイプだった。練習熱心で真面目、だからこそ芯の強さを漂わせていた。彼は幼少期からプロレスラーになりたいという夢を持ち続け、それを叶えるためにレスリングに没頭し、大会にも出場して好成績を収めていたのだ。また、プロレスに活かすために総合格闘技なども経験していた。彼はプロレスラーになるために直向きな努力をした純粋な若者であった。その結果、彼のバックボーンには確かな説得力があり、すでに王者の風格すら備わっていた。

X氏「それでみんなで意見を出し合って、そういった超自然的な世界観というか、ファンタジックさで勝負するなら、主役は神話の英雄みたいにしようってなって。それに彼ね、今のプロレスのスターって派手で自分を主張するタイプが求められるけど、それよりも古典的なスターみたいに実力で魅せるタイプの方がしっくりきたんだよ。だったら、その古典的なスターと英雄ヘラクレスをかけ合わせようって。独自のスターを生むためにね。そして彼は見事にその役割を果たしていったよ。」

彼は神話の英雄ヘラクレスの別の読み方である、ハーキュリーズの名前を与えられた瞬間、DESTINYという団体の顔となったのである。

そもそもDESTINYはマスクマンの多い団体でベビー、ヒール双方に存在している。マスクマンというのはある意味、プロレスの象徴でもある。それにプロレスの古典的なスター像と神話の英雄像を掛け合わせたハーキュリーズが団体の顔という、その懐古的側面も団体の独自性をより強めた。ある意味、二重に古典的を背負ったキャラクターを見事に成立させてしまったのが、彼の並外れた技量を物語っているだろう。

また、彼の寡黙かつ職人気質というパーソナルがハーキュリーズにミステリアスさをもたらしていた。

X氏「それが上手くハマったんだよ。ミステリアスな英雄ってのは、なんか知りたくなって追いかけてしまう。まぁ、ヒーローものでは謎のヒーローってのがあるからね。しかも団体は彼のプライベート情報をひた隠しにしたよ。正体は一切明かさないということで、よりそのミステリアスさに拍車をかけたんだ。全盛期にはそのミステリアスさが神々しい域までに達していたよ。今となってはそれも彼を苦しめていた部分もあったんだと思うけどね・・・。」

次第にハーキュリーズのミステリアスさはカリスマ性に昇華されていった。

キャリア全盛期とDESTINY帝国の繁栄

ハーキュリーズを団体の顔=看板選手としたDESTINYは徐々に業績を上げていき、ハーキュリーズ観たさに多くのファンが会場に押し寄せるようになっていた。団体の狙い通りである。 

ハーキュリーズはベビー級で、得意技はスープレックス、ジャーマン、ボディスラムなどの投げ技とチョップ、ドロップキックなどの打撃技、それにスリーパー・ホールド、フィギュア・フォー・レッグロック(四の字固め)などの関節技である。フィニッシュムーブはパイルドライバーとキャメラクラッチだった。ハーキュリーズは基本や定番の技を多用したのだ。キャラクターはミステリアスだが、レスリングは正確かつ分かりやすく、豪快だった。そんなハーキュリーズは抗争相手と名勝負を繰り広げていく。だからこそ、単にそのキャラクター性だけでなく、実力も含めてファンに受け入れられたのだ。

そしてついに団体は最高王座であるDESTINY王座の設立を発表、それと同時に後のドリーム・ロード・トーナメントに繋がる、DESTINY王座決定戦トーナメントを開催する。白熱した戦いが繰り広げられた結果、トーナメントを制したのはもちろん、ハーキュリーズだった。彼はDESTINY初代王者としてその名を刻んだのである。

さらに業績を拡大した団体はPPVの開催を月1(年12回)行うようになる。まさにそれこそ、ハーキュリーズが団体にもたらした最大の功績であり、いつしかそれは英雄ヘラクレスが果たした12の功業にちなんで、ハーキュリーズ12の功業と呼ばれるようになった。

X氏「それに関しては誰が言い出したのかは分からないけど、いつの間にかハーキュリーズの代名詞となっていたよ。だから当時、全盛期でありながらすでに伝説の域にまで登りつめてた。いや、ファンだけじゃなく、俺たちも伝説を日々目撃してるワクワクがあった。運営側なのにね笑しかも意図しなくとも、本当のヘラクレスと繋がったのにはビックリしたよ。12という数字ね。案外、そういうことってあるんだよね。現実とリンクする瞬間がさ。」

ハーキュリーズは小国にすぎなかったDESTINY帝国にまでのし上げたのだ。帝国DESTINYから去ってしまった今もなおファンはDESTINY=ハーキュリーズと思い浮かべるくらいの存在、つまりそれは一時の主役には収まらない、永遠に語り継がれるDESTINYの象徴なのである。

ハーキュリーズはその実力と自らのカリスマ性、さらには団体の顔であることに誇りを持っていた。しかし、そんな彼の誇りを揺るがす存在が意外な所からやってくる。

想定外のビッグバン

ハーキュリーズが強烈なスポットライトを浴びる中、その影でもうひとりのスーパースターが誕生しつつあった。だがその彼はハーキュリーズのように最初から期待された存在ではなかった。ハーキュリーズと同じくマスクマンとして活躍していたものの、あまりパッとしていなかったが実力に定評があったため、引き立て役となっていた。彼は特に因縁の無い相手との試合やPPVのように注目された試合でなくとも、全力で引き立て役に徹し、名勝負を繰り広げた。

しかし、そんな彼にも転機が訪れる。あるギミックが与えられたのだ。それは団体に所属するレスラー、または有名なレスラーのフィニッシュムーブを繰り出すという非常に掟破りなギミックだった。そう、"ザ・フィニッシャー"の誕生の瞬間である。

X氏「かなり実験的なギミックだよね笑というか、最初は"イロモノ"のつもりでやらせてみたんだよ。でもこれが意外に大ウケで。というか、どこかファンも悪ノリ的な部分もあったよ。でも瞬発力では一番これが盛り上がってたかもしれない。最初、彼はかなり控えめだったんだけど、この役割を与えられてから一気に弾けたよ。吹っ切れたんだね。プロレス的な魅せ方が爆発したんだよ。」

王道を行くハーキュリーズと意外な角度から爆発したフィニッシャー。もしこのまま行けば、実力のハーキュリーズと人気のフィニッシャーという2大巨頭になっていただろう。 

ハーキュリーズはフィニッシャーに対してほとんどの点で優れていたが、ある一点だけ、フィニッシャーの方が遥かに優れていた。そう、マイクパフォーマンスやキャラクターの主張である。

X氏「ハーキュリーズはそこが下手なんだよ笑だからこそ、長々と話させず、実力で魅せるキャラクターにしたってのはあるんだよ。苦手を克服するよりも、長所を最大に活かしたんだ。それに比べてザ・フィニッシャーはその辺が抜群だった。まぁ、そもそも実力もあるんだけど、やはりハーキュリーズの方が全体的に優ってる。でもフィニッシャーのキャラクターの主張力はそれだけでもハーキュリーズと対等の存在にまで上り詰めてたんだよ。」

また、フィニッシャーはマスクマンのフライ・キッドとタッグとしても活動し、そこでも自分の存在をアピールしていた。

そして人気を獲得したフィニッシャーはそのギミックを捨てて正統派のスタイルとなり、ついに"イロモノ"からの脱却を果たした。フィニッシュムーブはフィニッシャー・バスター(裏投げに近い技)、得意技はレッグドロップとスーパー・キックで、魅せ技を上手く生かしつつ、咄嗟のカウンターで会場を沸かせるなど、本来の実力をシングルでアピールするようになっていた。

新旧スター対決前夜の英雄

真夏の熱気の中、ついに2人は相見えることになった。この新旧スター対決はカードが発表された時点で、かなり期待された一戦だった。だが当時のハーキュリーズはかつてのような輝きはなく、精彩を欠いていた。

この頃のハーキュリーズは興行のメインを飾ることは減り、その上DESTINY王座戦線から外されていた。

かつてはDESTINY初代王座として長期政権を築くという、その防衛ロードはまさにハーキュリーズ12の功業であった。その後、王座陥落することがあってもすぐさま返り咲く、DESTINY王座戦線の常連だったのだ。団体の顔、最も輝かしい成功を収めたハーキュリーズは徐々に自分のエゴを主張するようになっていたのである。

X氏「この頃の彼はね、上層部の決定やストーリーにああだこうだ口を出すようになっていた。スターになって増長したってよりは多分、精神的に追い詰められていたのだと思う。団体の顔としてのプレッシャー、期待されるけどミスはできないとか、やっぱりまだ若かったんだね・・・。まぁ、それをこなしてこそ、真のスターなんだけど・・・。自分に都合の悪いストーリーや役割を拒否したり、なかなか納得しなくなってた。だから懲罰的な意味でこの頃は王座戦線から外されたんだよ。

新旧スター対決について、多くのハーキュリーズファンはハーキュリーズの勝利を予想した。それにこの頃はまだ、ハーキュリーズの"裏の素行"についてはファンには漏れ伝わってはいなかった。メイン戦出場の減少と王座戦線から外れているということについてはスランプと捉え、ここで勢いに乗るフィニッシャーを抑えることでハーキュリーズ復興の起爆剤となる、つまりそのために組まれた一戦であると・・・。ハーキュリーズファンの視点ならば、その予想は理に適っているように思える。だが舞台裏は違った。

X氏によると、この試合はフィニッシャーの"勝ちブック"が予定されており、決め手はフィニッシュムーブのかわし合いからの丸め込みによるピンフォールだったと証言している。

ある意味、丸め込みによるピンフォールハーキュリーズにとってダメージの少ない負け方だ。フィニッシュムーブを受けての負け=完璧な負けだと、ファンに世代交代を感じさせることになる。その上、団体もかなり煽っていた一戦だった。だからこそ、丸め込みで勝利したフィニッシャーには"将来的な世代交代の可能性"を匂わせつつ、ハーキュリーズにはこの一戦では不覚を取ったが、"次は返り討ちにする可能性"という含みを持たせて、次に繋げようとしていたのだ。

ハーキュリーズは懲罰的な扱いもあって、自身の負けブックを"表面上"では了承した。 

またX氏によると、ハーキュリーズ王座戦線から外されていたものの、それはあくまで一時的なものであり、その後王座に返り咲き、挑戦者フィニッシャーを返り討ちにするストーリーラインも予定されていたという。

フィニッシャーの顔面を捉えた正確すぎる右ストレート〜ハーキュリーズ・シュート事件〜

ハーキュリーズvsフィニッシャー戦はPPVシャドー・オブ・ザ・サンシャインのメインイベントで行われた。皮肉にもハーキュリーズにとっては久々のメインである。

先に入場したフィニッシャーはいつものように花道でアピールしながら、リングに上がってハーキュリーズを待ち構える。両者はまだ顔を合わせていないが、場内は期待と緊張感に満ちている。これから時代が動く瞬間を目撃するのか、それともかつての英雄が復興するのか・・・。この時はDESTINY最大の闇を目撃することになるとは誰も予想だにしなかったのだ。

ついにハーキュリーズの入場曲が満を辞して鳴り響く。観客は一切に声援を送った。

入場口からハーキュリーズが姿を現したのだが、どこかいつもと違っていた。いつもは優雅にアピールを決めて入場するが、この日はアピールもせず、どこか殺伐とした雰囲気を漂わせて真っ直ぐリングに向かっていった。

それに対して会場にいた者はあくまで演出と捉えていた。新しいスターとの一戦に気合を入れているのだと。後から見れば、ハーキュリーズが"本気で仕掛ける"という覚悟を決めている様子だと判断できる。

両者、リング上で睨み合い、試合開始のゴングが鳴る。お互いロックアップをせず、間合いを取る。それはビッグマッチによくある、間をたっぷり使う演出に見えた。

だが次の瞬間、フィニッシャーの顔面に正確すぎる右ストレートが入る。

ハーキュリーズは明らかにプロレスの範疇を超えたパンチを放ったのだ。失神とはならなかったものの、それを受けたフィニッシャーは片膝をついて蹲る。レフェリー、実況、観客、その場に全員が困惑した。そう、ハーキュリーズはフィニッシャーにシュートを仕掛けたのだ。"ブック破り"である。

しばらく間を置いた後、フィニッシャーはふらつきながらも立ち上がり、試合続行の意思表示をする。レフェリーは困惑しながらも、試合を続けさせた。フィニッシャーはファイティングポーズを取っているが、不意打ちの顔面パンチにより平衡感覚に支障をきたしているようだった。ハーキュリーズはそれを察知したのか、すかさずテイクダウンを奪い、パウンドを浴びせる。鼻にパンチが当たったのか、フィニッシャーはマスク越しから流血し、ハーキュリーズの拳に巻かれたテーピングは真っ赤に染まっている。

ついにレフェリーはハーキュリーズを制し、さらには入場口から試合を終えたレスラー(ベビー、ヒール関係なく)が大勢やってきて、ハーキュリーズとフィニッシャーを囲む。それから遅れてGMと数名のスーツ姿の上層部の人間が現れ、事態の収集に努める。そしてリングアナに指示を伝え、リングアナは"ノーコンテスト"と発表、観客からはブーイングが聞こえてくる。それにこの状況についてまだ飲み込めていない観客もいた。いずれにせよ、この一戦の期待は右ストレートを皮切りに裏切られたのである。

顔を殴られ、なす術の無かったフィニッシャーはレフェリーやレスラー達に囲まれながら、バックステージに消えていった。本気のパンチを喰らいながらも試合続行の意思を見せたフィニッシャーだったが、その時の記憶はなかったようだとX氏は証言している。どうやらフィニッシャーは本能で戦う意志を見せたようだ。

試合後、両者のインタビューは無く、真夏のPPVシャドー・オブ・ザ・サンシャインは不穏に幕を閉じた。

フィニッシャーはこの試合により顔面を負傷、2ヶ月間欠場することになった。シュートを仕掛けたハーキュリーズについて、DESTINYは団体を離脱したことを発表。英雄は去っていったのだ・・・。

何も語らずに去った英雄と新たな団体の顔

なぜハーキュリーズはフィニッシャーにシュートを仕掛けたのか?

X氏はフィニッシャー潰しの意図があったのではと証言する。それについてはさまざまな考察と一致する。あの場でフィニッシャーを潰すことで自身の地位を守ろうとしていたのだと。

ハーキュリーズは団体に対して自身の扱いにフラストレーションを感じる中、フィニッシャーに対しても不満を漏らしたことがあったという。キャラクターだけで成りあがってきたアイツは認められないと。

自分よりもマイクパフォーマンスが上手くて主張力のある者が自分が精彩を欠いてる間に実力をつけ、自分の地位を脅かす存在になりつつある。それだけでなく、自分がこの団体に大きな貢献をもたらしたのに、そんな自分を蔑ろにした挙げ句、アイツにチャンスをやれと。自分よりもアイツを取るというなら、ここで潰してやる・・・。あのパンチにはそんな意味が込められていたのだろうか・・・?

これはあくまで憶測であり、本人の口から語られない限り、詳しい理由は分からない。

確かにこの業界では時代を象徴するスーパースターが新世代のスターに敗れて世代交代をするのが常である。後進に道を譲るのだ。ハーキュリーズは自分こそがDESTINYの顔であり、主役でありたかった。記録を辿れば、抗争相手にピンフォール負けを喫したことは多々ある。だが、自分の地位を脅かす競合相手には勝ちを譲ることは出来なかったのだ。そのために取った行動は自分の立場をより一層悪くするものにしかならない。

だが当時のハーキュリーズには冷静な判断をする余裕がなかった。ハーキュリーズにエゴがあったのは否定はできないが、X氏の言う通り、若さ故の過ち、またプレッシャーなどによって精神的に追い詰められていたのだろう。

その一戦以降、ハーキュリーズは何も語ることなく団体を去った。現在どんな活動をしているかは分からない。名前を変えて他団体のリングに上がっている様子もない。

ハーキュリーズの去就の経緯について、X氏はこう証言する。

X氏「実はフィニッシャーは自分の感情を押し殺して、ハーキュリーズをクビにはするなと団体に訴えてたんだ。何はどうあれ、団体には必要な存在だってね。フィニッシャーの訴えと、ハーキュリーズの貢献を考えて団体は謹慎処分にすることも考えていたんだよ。でも本人が辞めるの一点張りで・・・。」

まさかフィニッシャーがあのハーキュリーズをクビにしないように団体に訴えていたのは衝撃的な事実だ。自分を潰そうとした相手の重要性を説いて、団体に留まらせようとするのは相当な器量の人物である。

それからフィニッシャーは団体の顔となった。総合格闘技からやってきたニック・リーガンをDESTINY最大のPPVインフィニティ・ポッシブルで団体の顔として迎え討ったのだ(その前にドリーム・ロード・トーナメントの1回戦で対戦し、両者ドローとなっていた)。その抗争中、リーガンの「DESTINYはフェイク」(フェイク発言事件)という挑発に対し、フィニッシャーは「フェイクのために命を懸けてるヤツはここにはいない」と切り返した。

しかも、その試合内容は壮絶でノーDQマッチながら凶器を使用せず、お互い殴り合い、投げ合い、実況席、リングサイドの防護壁を破壊するという、ルール無しのケンカ戦であった。最終的にリーガンのパワーボムの体勢から、カウンターのギロチン・チョークで、フィニッシャーが失神KOを奪い勝利した。

X氏「ハーキュリーズが居なくなってから、俺も団体を離れた。情熱がなくなっちゃったんだよね・・・。それから、しばらくDESTINYは見なかった。見たくなかったね・・・、だって辛いもん。彼の居ないDESTINYを受け入れることはなかなか出来なかった。でもちょっと前にニック・リーガンとフィニッシャーが試合するっていうから、久しぶりに見たんだ。いや、フィニッシャーは成長したね、一回りも二回りもデカくなったよ。だって団体の顔でしょ?でもさ、ハーキュリーズだったら、どうなってたんだろって思っちゃったんだな。DESTINYの顔としてハーキュリーズがリーガンと戦う・・・。でもフィニッシャーは凄かった。いや、素晴らしかったよ、本当に。」

才能に恵まれ、団体から溺愛された、最も輝ける者・英雄ハーキュリーズ。今でもハーキュリーズファンは彼の復帰を期待している。しかし、その未来については神のみぞ知るということであろう。

最後にX氏からハーキュリーズについて衝撃的な証言を得られた。

X氏「彼は最高のスーパースターだったよ。でもまだ若かったからってのはあったんだけど・・・、その若さっていうのが・・・、悪い方向に行ってしまったんだな。残念だよ。俺たちは彼の素顔を知ってるんだが、とても男前なんだよ。素顔でも十分にやっていける。これ知ってるかい?いや、もしかすると初出し情報になるのかな・・・。実は将来的に彼を素顔で活躍させることも考えていたんだ。そして後に映画出演させることも考えていたよ。正真正銘のスーパースターにしてやりたかった・・・。でもまぁ、もう二度と彼みたいな才能を持った人間は現れないんじゃないかな。彼が居たあの瞬間は、まるで自分の人生の全盛期だったような気がするよ。」

DESTINY最大の闇であるハーキュリーズ・シュート事件、それは真夏のPPVシャドー・オブ・ザ・サンシャイン(太陽の影)でのメインイベントで起きた。それによって誰もが望まぬ形での世代交代が起き、ある意味ではPPVのタイトルの通りになってしまった。ハーキュリーズは太陽のような存在でありながら、闇=影の中へと去っていったのだ。

時間は残酷な決定を下す。しかし、それと同時に寛大な決定も下す。

ハーキュリーズとフィニッシャーがDESTINYのリングでもう一度、顔を合わせ、かつて期待したあの一戦を繰り広げてくれることを願って、この時間の中に身を委ねよう。